52.身を呈して ページ12
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「爪が甘い。どれだけ強かろうと一瞬の気の緩みや油断が敗北の一手になる事を知っていますか?」
「・・・鶴を引っ込めてくれるとかは」
「大丈夫ですよ。死なない程度の攻撃ですから。まあ重症は確実ですが」
小さい鶴に取り囲まれて逃げ場なし。糸目鬼は攻撃する前提で話している。時透君に糸目鬼を止められるって大口叩いて、自分のチートを過信して油断しすぎた。打開策が見つからない。
鶴の硬度と切れ味からして流石の私でも少々の怪我は免れないだろう。
いや痛いの無理なんだけど。今から痛いのしますよって言われてばっちこーいとか言う人いないでしょ?せめて麻酔を!お願い!!
「嗚呼、貴方が私に逆らうのが悪いのですよ?素直に私の言うことを聞いていれば半殺しになどしなくて済んだものを。可哀想に」
「どうせ貴方に着いていったとしても半殺し状態にするでしょ」
「それが私の愛ですからね。傷つけて泣いて鳴く貴方の姿が見たいんですよ」
「本当悪趣味かよ!あの一つ言わせて」
これだけは言いたい。
「そこに愛はあるんか?」
「・・・」
「信じられる愛は、あるんか?」
「・・・は?」
瞼を上げて冷たく言い放つ糸目鬼。
・・・えっ。
なんでいきなりドライになるんだよ糸目鬼!は?って分かれよ!そこに愛はあるんか?ってCM有名でしょ!?一度ドヤ顔で言ってみたかったんだよ!!そんな反応されるとこっちが恥ずかしいわボケ!!なんか反応してくれよもおおおお!!!!
「何を言っているのか理解出来ません」
「だよね」
「もうそろそろいいでしょう。貴方を半殺しにした後あの男は殺しますから」
「いやちょっ、話し合いを」
「血鬼術 千羽鶴」
私を取り囲んだ小さい約千羽の鶴が私に一直線に向かう。
多分初めての任務だったこともあって、少し緊張して強張ってたのかもなーなんて思う。私らしくもない。時透君に大口叩いたのに情けない。
数秒後来るであろう痛みに、私は強く瞼を閉じた。
「・・・・・・?」
が、いつまでも来る事の無い痛み。
何事かと思い恐る恐る目を開ければ、目の前の光景に私の心臓がドクドク嫌な音を立てて鳴る。
「と、きと、く」
「何やってるの。ほんと、ばか」
無一郎が、身を呈してAを庇っていた。
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うえ - んぎゃ..鬼にまで好かれるとか最高すぎんか..待ってます!! (1月5日 9時) (レス) @page36 id: 9aa429e4c8 (このIDを非表示/違反報告)
さめしゃち?(プロフ) - あっ好きです(急)結婚しましょu(((((( すみません取り乱してしまいました^ ^めっちゃにやにやしちゃいましたww更新待ってます!!!! (5月7日 21時) (レス) @page36 id: 94eab444ed (このIDを非表示/違反報告)
Komachi(プロフ) - ふづきさん» あ、へ?え!?なんか褒められました!?あざさです!(?)めっちゃ嬉しいです!(なんのことかよくわかっていない件について) (2022年3月6日 1時) (レス) id: 286de14237 (このIDを非表示/違反報告)
ふづき - Koma?♂さん» がちでおもしろすぎるww文書く才能ありすぎです (2022年3月6日 0時) (レス) @page36 id: 3d9c5132e5 (このIDを非表示/違反報告)
Koma?♂(プロフ) - ぁぁダァダダァぁ!好きです!もうこういうのをまとめてました!更新頑張ってください!応援してますぅ (2021年11月3日 22時) (レス) @page36 id: 286de14237 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むにゃねこ44 | 作成日時:2019年8月13日 2時