残酷なほどに美しい愛を３《M.Jun》 (ページ17)

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◆3-17◆《Jun》ページ17

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結局20時には間に合わず、5分オーバー。

急いで“close”の文字が掛かっているドアを開けると、カランカランとドアベルがけたましく音をたてた。

『ごめん！遅くなった！』

そこに居たのは優弥とアイツだけ。

来るって言ってたけど、やっぱりA来なかったのか…

しょうがないよな。

そんなことを思っていると、パチンとアイツと目があった。

切れ長の目が俺に鋭い視線を送る。

『はじめまして。松本です』

「山川です。ちゃんと挨拶するのは初めてですけど、会うのは二度目ですよね？」

ああ、やっぱりバレてたか。
あの状況でバレない方が奇跡。

本当はしらを切るつもりだったけど無理そうで、

『そうですね』

何十年も作り続けているアイドルスマイルを浮かべた。

「“天下の”嵐さんが僕に何の用ですか？」

“天下の”って言葉に腹が立つ。

どうしたらこんなにも嫌味ったらしく言えるんだろうか？

昔の俺だったらキレて、あからさまに態度に出していたけど…さすがにもうそんな歳でもない。

『山川さんに大切なお話が…』

そう言って、大人な対応をしている俺に

「ヒメちゃん、一番奥の個室にいるから」

優弥が耳打ちをした。

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