【d！】【短編集】恋愛カルテ (ページ42)

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「せやなぁ、Aちゃんみたいな可愛え娘…Aちゃんに専従になって欲しいわ。」

「ダメや！！！」

鬱大先生様の提案に、驚くぐらい大きな声を出したコネシマ様。あまりの大きさに身体がびくんと跳ねてしまい、コネシマ様が慌てて私をきつく抱きしめた。…ん？なんで抱きしめられる必要があった？別に、鬱大先生様の方へ移動しようとしたわけじゃないんですけど…。

「Aは俺のや。誰がなんと言おうと、絶対俺のや。大先生にやって譲らへんで。」

普段の数倍、真面目な顔をして、ぐるるる…と威嚇するように鬱大先生様を睨みつけるコネシマ様。狂犬チワワ、その呼び名に相応しいお顔。これが、統治者の力なんだろうと、肌で直に感じる。…それはそれとして、両手で私を抱きしめて、軽くスリスリしてくるのは何故ですか。ムズムズするのでやめて欲しいです。他の人達にはしないのに、なんでそんなことするんですか、期待、しちゃうじゃないですか。なんて、ちょっとふざけてみたり。

「なっ、Aは俺のものやんな、なっ！」

にかっと、太陽みたいに、笑ったコネシマ様。あぁ、やっぱりこの人に仕えてたいなぁと思ったりしてね。身分違いすぎる片思いなんだけど、想うぐらい許される、よね？

「はい。私は、コネシマ様の専従です。解雇されない限り、一生。」

互いに、身分を理由に言えない。

そんな、両片思い。