【d！】【短編集】恋愛カルテ (ページ18)

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潜入？いえいえ、殲滅です。～sha～ページ18

「おし、あと戻るだけや、行くで、A。」

「おん、大先生、来たとこ行けばええな？」

「えっ！？や、それじゃ」

そんな会話があって約10分。私とシャオちゃんは、見事に迷子です。

今日は、偶然不在のゾムに代わって、敵対国の機密事項を盗みに来た。本当は私だけだったんだけど、それじゃ不安だからシャオちゃんにも付いて来てもらって、見事に手に入れたんだけど…。あはは、来たことない所だからかな、現在地が把握できない。

オペレーター鬱とは、さっき通信を切ったから頼れないし、こう、隠れてるからあんまり無茶できないんだよね。ん～…どないしましょ。

「さて、シャオちゃん。」

「なんや、A。」

私が先走って迷子になってるんだけど、シャオちゃんは私に甘いので、特に起こった気配はしない。良かった、シッマだったら殴られてたわ…。

「もうここまで迷ったら、隠れても無駄な気がするんだ。」

「奇遇やな、同じこと思ってんで。」

最早潜入を諦めて逃げ切る方が私たちには簡単なのではと言外に告げると、シャオちゃんもニヤッと笑って同意してくれる。うーん、流石だね、おしどり夫婦の名は伊達じゃない。

天井裏から出るため、ダクトを覗く。人の気配はなく、また、監視カメラもないよう。うーん、なんと防犯に緩いことか、だから私達に盗られるんだよ？