社畜はメイドに恋をする。【観音坂独歩】

十七歩目 ページ18

やっと取れた休み。俺はAちゃんにホワイトデーのお返しをするために、とあるショッピングモールに来た……んだが、、




｢ひ、人が多い…｣



親子はもちろんカップルや友達同士、俺みたいに一人で来てる人もいる。まぁ、普段人ごみには慣れているが休みの日までこれとは……凄いな、うん。普段休みの日はずっと家に篭もっているか愛しのマイエンジェルであるAちゃんに会いに行くかの選択肢しかない俺にとってはここにいる人達を尊敬するよ……。



念のためにたまたま今日休みだった一二三を連れていこうと考えたが、あいつが来ると絶対にスーツ姿で来る為周りに女の子があふれるに違いない。。。





｢…それだけは嫌だな。……絶対に嫌だ。｣




とりあえず、男の俺でも入って大丈夫な店にしよう。じゃないと絶対に怪しまれる。いや、確実に変な目で見られて買い物どころじゃなくなる。



｢……Aちゃんが喜びそうなもの。。。｣



特定して1つの店に絞る前にどんな店があるのか歩いていた。レトロな腕時計だったり、シンプルなブレスレットやオシャレなネックレス……ていうか、物じゃなくて消費できる物の方が良いのか？？なんて考えながら見ていく。


｢あっ、｣


これなんか良さそうだな、と思って店の雰囲気を見たが…



｢う"……っ｣



何かに撃たれた様な声を出してしまった←
こ、これは。。たしかに良いんじゃないかって思ってたものは可愛いものだったが店の雰囲気が明らかにファンシーというか本当に女の子という感じがして俺にはハードルが高い………。というか、女の子しか入れないやつだこれ。俺が入ると不審者になりそうだ。
……でも、これはAちゃん好きそうだな。





｢……。｣


店の前で1人、入るかそれとも諦めて違う場所にするか葛藤していると俺の顔を覗き込むような体勢で横から声がした。


｢あっれぇ〜？寂雷のジジイの所の…えっと、ぁ、観音坂独歩だ！あっはは、こんな所で何してんの？｣

｢……っ！？｣


名前を呼ばれて慌てて振り返る。


｢ぉ、お前……は、｣

｢やっほー♪オニーサンっ｣


そこには呑気に飴を舐めながら先生と仲が悪いと噂になっている飴村乱数が立っていた。

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