十二歩目 ページ13
いつものようにAちゃんとチェキを撮ってメッセージも書いてもらった。
「独歩さん、今日もありがとうございました!」
「いや、こちらこそ!…その、また次のイベントの時にも来れたら良いのにな……なんて、ははっ」
「…いつでもお待ちしております。ご主人様。」
そう言って嬉しそうに笑うAちゃんは本当に可愛い。あーー、さすが俺の天使だ。
「ぁ!そうだ!独歩さん、少しだけ待っててくださいね。」
「…?」
何かを思い出したように慌ててAちゃんはカウンターの裏に行ってしまった。そして直ぐに戻ってきて少し恥ずかしそうな顔をして、
「あの、これ。」
と言って俺にパステルカラーの小さい紙袋を渡してくれた。中に何か入ってるようだけど…
「これ、は?」
「あの。今日バレンタインなので……良かったら受け取って欲しいです。」
「え!?」
そ、そうか。
今日はバレンタインデーか…元々縁のないイベントだった為忘れていた。←
「い、良いの?俺なんかが…貰っちゃっても。」
「良いんです!お客さん皆に渡してるんですけど、ぜひ独歩さんにも受け取って欲しいです。」
「ありがとう…。」
あぁ。分かってたさ。みんなに渡してる事くらい、でも、でも……!こんな俺に手渡しをしてくれる天使がいるんだ。喜んで受け取るに決まってる。
「家に帰ってから開けてくださいね。」
「うん。ありがとう。また、ね。」
「はい!また、お越しくださいませ。」
扉が閉まり、俺は寄り道することも無く家に帰った。"家に帰ってから"か……。
____________...
「独歩ちん、おかーえりー!」
「あぁ、ただいま。」
家に帰ると玄関で一二三とばったり会った。
「俺っち、今から仕事だから!ご飯ちゃんと温めてから食べろよなー。」
「わかった。いってらっしゃい。」
「いってきやーーーっす!」
とりあえずリビングに行き一二三が作ってくれたご飯を温めてる間に俺はAちゃんから貰った袋を開けた。
な、なんだ。これは。
そこには美味しそうな手作りのチョコレートマフィンが入っていて……そして手紙もあった。『独歩さんだけに作りました。他の人には内緒です。』と可愛い字で……
「……っ、」
絶対にニヤけている口元を手で抑える。"もしかして"と何となく意味がわかった俺は今日昇天してもおかしくないと思ってしまった。
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ゆ - か、神作に限って更新停止!! (2022年5月12日 22時) (レス) @page19 id: ac86c954c4 (このIDを非表示/違反報告)
はんぺん(プロフ) - ルル様コメントありがとうございます!そう言って貰えて本当に嬉しいです(;_;)これからまた更新していきますので暖かい目で見てやってください〜^^ (2019年5月27日 17時) (レス) id: e14b8aac4c (このIDを非表示/違反報告)
ルル(プロフ) - はじめまして!メイドの夢主ちゃんも独歩さんも可愛いですね!くっつくねいつかなとニヤニヤしながら見ています!続きを楽しみにしております! (2019年5月13日 18時) (レス) id: f9398f263f (このIDを非表示/違反報告)
はんぺん(プロフ) - 望願mone様 コメントありがとうございます!個人的に斎藤ちゃんも頑張ってるんだよって所を皆さんに伝えたかったのでそう言って貰えて嬉しいです。ありがとうございます(´ω`)! (2019年3月12日 23時) (レス) id: 4732a17b70 (このIDを非表示/違反報告)
望願mone - モブの斎藤ちゃんを無性に押したい自分がいる・・・ (2019年3月8日 1時) (レス) id: 0abfaad50d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はんぺん | 作成日時:2019年2月7日 21時