社畜はメイドに恋をする。【観音坂独歩】

十歩目 ページ11

カランカランッ♪





「お帰りなさいませ、ご主人様」



と言って俺に挨拶をしてくれたのは、可愛い天使であるAちゃんだった。
……か、可愛い。駄目だ。うさ耳を付けてるAちゃんがやばい……。
今日、入口の看板をみてまさかとは思ったが……入った瞬間こんな直ぐにうさ耳を付けてるAちゃんを拝めると思っていなかった。



「…た、ただいま。」

「ぁ、ぇっと、」


いきなり顔を赤くした彼女は小走りでカウンターの中に隠れてしまった。




「え……」



ぉ、俺今日そんな気持ち悪かったか！？？え、服か？いやでもいつもと変わらないし。何が…何がいけなかったんだァァァァァっと心で叫んでいると俺を席に案内する為、ほかのメイドの子が来てくれた。



「ご主人様、お席ご案内しますね。」

「ぁ、ありがとうございます。」

「ふふっ、いえいえ。お席は…あそこに隠れてるAちゃんの前で。」

「ぇ、えぇ！？大丈夫、ですか。」

「えぇ。Aちゃん、いっつもこのイベントの時…多分ですけどあなたが来ないかソワソワしてるんですよ。」


とこっそり耳打ちされた。


「え……。」

「可愛いですよね。」

「……。」

「では、ごゆっくりー」



い、行ってしまった……。
とりあえず隠れているAちゃんの前に座る。



「えと、、Aちゃん？」

「な、なんで今日来ちゃったんですか。」

「やっと、取れた休みで……その、可愛い、ね。今日。いや、今日もなんだけど。」

「恥ずかしいです……。」

「そ、そんな事ないよ！今日はラッキーだ。」

「……。」




するとAちゃんはカウンターから姿を現してくれた。……か、可愛い。
Aちゃんと目が合ったのに俺はどうしていいのか分からず、とりあえず笑顔で彼女を見つめた。何故かAちゃんは両手で顔を隠しているようだったけど、俺は本当に今日ラッキーというか…来てよかったと心の底から思った。

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