真実と17歳 ページ42
肩を震わせながら芳は自分の着物の袖で涙をごしごしと拭き、俯いたままか細い声を出す。
芳「私…ね?知っちゃったの…
Aが親父に連れて来られた…本当の理由」
貴「え?」
芳「Aが私の身代わりにされてるのは分かってた。
私が危ないからって、ずっと私の代わりをして…ずっと私の代わりに危ない目にあって…
私…ずっとそれが嫌だった…」
いつもの明るさからは想像できないくらいに、芳の声色は悲愴に満ち溢れていた。
その姿、その声が、私の心にズキッと突き刺さる。
見てるだけで痛いとはこの事なんだ。
芳「だからさ…私、何とかしなきゃって思ってた。もう私の代わりなんてさせたくなかった。本当に。
そんな時だよ。
親父の一番優秀な右腕の男、さっき捕まったらしいけど…アレの下っ端が話してるのを聞いちゃったの」
右腕の男…
さっき私を全力で脅しにかかったあの男。
あの顔を思い出すだけで冷や汗が伝うのに、あの人がこれ以上何を…
芳「A…そろそろ頃合いだって…」
土「頃合い…」
あの男がさっき話した事を思い出した。
するとまた私の頬を冷や汗が伝う。
“頃合い”とは…そーゆー事なんだと…理解出来た。
私は最初からそーゆー運命だったんだ。
貴「何が頃合いなのかは分からない。分からないけど…まずいんだって直感した。
そいつらも「ここまで成長したんだし」とか、私が寂しがるんじゃない?みたいな事言ったら「大丈夫だろ。所詮は身代わりなんだから」って言ってて…マジ有り得ないって思って。
そんな事を聞いちゃったから…もうグズグズしてられないって…
早くAとこんな所離れないとって…」
え…?
じゃあ…待って?
家出しようって言ったのは…
貴「家出しようって言ったのは、私の為…?」
お父さんが嫌になっただけじゃ…なかったの?
俯いたままの芳が姿に、
「そうだよ」と言う意味だって、私は勝手に解釈してしまう。
うそ…
芳「警察の人間にも本当は関わりたくなかった…
家出したなんて知ったら連れ戻されるのがオチだと思うし、そもそも親父の件もアテにならないし…
でも…あの夜この人と会って、色々考えたの。
そしたら…何と言うか…その、使えるかもって思ったの」
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沙月(プロフ) - 友達としてのところはマジで笑いました...二回くらい読み直したかも。そして、最後見たときの僕の突っ込み。『ちぇ。恋愛じゃねーのかよ。(途中までいい感じたったのによぉ?そしてザキ、怖いよ?ん?)』という情緒不安定でした。 (2019年4月10日 1時) (レス) id: b7d8d46a43 (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - 雪さん» そうですね。幸せになってほしいです。コメントありがとうございます。 (2019年1月3日 14時) (レス) id: e5295f2ff6 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 山崎どうか幸せになってください (2019年1月3日 12時) (レス) id: 55babfbb1a (このIDを非表示/違反報告)
ハーレクイン(プロフ) - 作者様の作品よく読ませてもらってます!坂本さん最推しなので嬉しいです!最近山崎も好きなのでなんかもう楽しかったです!これからも頑張って下さい!山崎&坂本さんの作品沢山作ってくださいね!(図々しい) (2018年9月6日 23時) (レス) id: b56fa1b191 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - いい話ですねー(*`・ω・)ゞ (2018年8月20日 19時) (レス) id: 253e047399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺羅 | 作成日時:2017年1月13日 20時