怒る17歳 ページ20
信じられない。
芳の姿を見た途端、今までなら絶対に有り得ない感情が芽吹いた。
なら今こそ色々言わないといけない時じゃないかな・・・
…いや、待って。
私には今優先しないといけない事がある。
ここはいつも通りに済まさないと。
.
貴「…どいて、くれないかな?」
部屋に響く落ち着いた声。
…落ち着いてると思ってるのは私だけ。
私の声を聞いた芳の表情が忽ち曇っていった。
徐々に不安と恐怖が露わになってく。
ただ事では済まされないと、本能的に察知したのだ。
貴「山崎さん…怪我しちゃったの。せめてものお見舞い…
どうして怪我したかは分かってるよね?」
芳「ぁ…っ」
返す言葉を必死に考えてる様子の芳を見た後、暫くその場で待って
何を言って来ないな…と分かると、そのまま無言で横を通り過ぎようと動いた。
芳「…怪我させるつもりは…なかったの…」
足が止まる。
そんなのはただの言い逃れだと思った。けど…
「アイツが勝手に怪我したんだよ」とかじゃないだけ遥かにマシな気がした。
貴「…じゃあ、一緒に謝りに行ける?」
芳「………」
それがどういう意味なのかは私達には分かりきった事だった。
芳は黙り込んだまま俯いてしまう。
貴「…うん、分かった。じゃあ私一人でお見舞いに行くから…」
芳「っ…待ってよっ!」
前に進もうとした私の腕を掴み静止させる。
かなり強い力で…行かないでほしいと言う気持ちが凄く伝わってくる。
それが何とも複雑だ。
芳「A…アンタ謝りに行く気なの?そんな事したらどうなるか分かってるでしょ?」
貴「山崎さんが怪我したのは私達のせいだよ?
許されるかどうかはともかく、悪いことしたなら謝らなきゃいけないのは人間も天人も同じでしょ?あ…それとも
私が人間に謝っても無駄って事かな?」
芳「は?そんな…違っ……なんで?…どうしてよ?」
私の腕を掴んでる手はガクガクと震え出す。
そしてもう片方の手は私の頭へと伸びてく。
芳から貰ったリボンがない、寂しい頭に…
芳「なんで…アイツにそこまで執着するの」
執着?
…そうだね…そうだとしたら、それは…
貴「山崎さんは芳と違う人間だからかな」
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沙月(プロフ) - 友達としてのところはマジで笑いました...二回くらい読み直したかも。そして、最後見たときの僕の突っ込み。『ちぇ。恋愛じゃねーのかよ。(途中までいい感じたったのによぉ?そしてザキ、怖いよ?ん?)』という情緒不安定でした。 (2019年4月10日 1時) (レス) id: b7d8d46a43 (このIDを非表示/違反報告)
綺羅(プロフ) - 雪さん» そうですね。幸せになってほしいです。コメントありがとうございます。 (2019年1月3日 14時) (レス) id: e5295f2ff6 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - 山崎どうか幸せになってください (2019年1月3日 12時) (レス) id: 55babfbb1a (このIDを非表示/違反報告)
ハーレクイン(プロフ) - 作者様の作品よく読ませてもらってます!坂本さん最推しなので嬉しいです!最近山崎も好きなのでなんかもう楽しかったです!これからも頑張って下さい!山崎&坂本さんの作品沢山作ってくださいね!(図々しい) (2018年9月6日 23時) (レス) id: b56fa1b191 (このIDを非表示/違反報告)
桜 - いい話ですねー(*`・ω・)ゞ (2018年8月20日 19時) (レス) id: 253e047399 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:綺羅 | 作成日時:2017年1月13日 20時