初恋ざぼん。(tk×in♀)

kota. 6 ページ28

幼い頃から同学年の奴は、慧か光しかいなかった。

光とはガキの頃から毎日たわむれて、喧嘩をして、イタズラし合って、まるで兄妹のような関係だったように思う。

慧もそんなことを一緒にしていたが、慧には不思議と島の田舎っぽさが感じられなかった。


日焼けして黒くなった俺らを前に、慧はいつも白く、不思議な透明感があった。

おまけにに医者の娘であることが関係しているのか、そうでないのか、頭をもキレて、俺達3人の中でずば抜けて賢かった。


小学校の頃こそ慧に軽々と成績を超されるのが悔しくて、テストの度にに色々とからかっていた。

慧がそれを受け流し，光が慧の味方について、俺に蹴りを入れたりしていた。


ただの幼馴染だと思っていた、二人。


けれど中学生になって初めて、慧が違って見えた。


慧が鉛筆を握って紙に走らせるのも、黒髪を耳にかける動作にも、セーラー服のスカートが風にはためいて、白い太ももがちらつくのも。

全部にどぎまぎするようになった。

初恋、だった。


けれど自分の気持ちを、幼馴染みの慧に悟られるのが恥ずかしくて、慧には少々を冷たくあたっていた。


その分、光とはたわいもない話でゲラゲラと笑ってはお互いを貶し合っていた。


だからこそ、高木が慧と付き合った、と言うのを聞いてひどく後悔をした。

どうして中学生のうちに言えなかったんだろう。
言ってしまえば、良かった。




日に日に仲良くなっていく二人の様子に今までずっと慧を見てきた分、慧が嬉しそうな表情を高木に向けるたびに過去の自分を殴りたい衝動に落ち言った。

そんな時、光が俺に言った。




「宏太って、慧のこと、好きなんでしょ?」

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