yuya. 12 ページ18
次の日は雨だった。
窓をしっとりと濡らしてくような、湿った、雨。
8月に入った初日だというのにその日の気温は少し低く、外へ行く気にもならない。
親が仕事と、島外に買い物をしているから家には俺一人残されている。
「なんか、つまんねぇな。」
俺は、学校の課題をやる気にもなれず、ただ目の前を過ぎていく時間を持て余していた。
インターホンが鳴る。
居留守を使おうと思っている無視していると、2回目が鳴り、3回目が鳴った。
俺があたかもそこにいるのを知ってるかのように、インターホンが鳴り続ける。
珍しい。
ドアを開けると玄関の外に立っていたのは、
「慧…。」
慧だった。
慧は俺が話しかけたにも関わらず、下を向いて突っ立ったままだ。
いつもの朗らかな明るさはなく、その代わりに妙な大人っぽさを放っている。
「慧…?
どうしたの？
そこにいたら雨に濡れ…」
慧に引っ張られた。
彼女が俺を抱きしめ、無残に傘が落ちた。
「……。」
胸に熱い息がかかる。
慧が俺の胸に顔をうずめ、何かを呟いた。
雨の音がそれをかき消す。
「え、何？
何て言ったの。」
慧は肩を震わせて、今度は、はっきりと言った。
「抱いて。」
「え、は？」
「私を、抱いて欲しいの。
お願い。」
俺はすぐに慧の腕を引っ張り、家の中に入れた。
彼女のいつもより艶のある、通った迫力のある声。
有無を言わせないそれに突き動かされて、体が動いた。
慧の手を取り、寝室へ向かう。
慧をベッドに半ば倒れさせて、彼女のブラウスに手をかける。
ボタンの一つ二つを慣れない手つきで外したところで俺はなけなしの理性で慧に訊いた。
「もう戻れねえぞ。
本当に、いいのか。」
慧は俺の手を握り返し、頷いた。
俺は、慧を、押し倒した。
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鶏飯(プロフ) - ひかりさん» 番号飛ばし、ご指摘ありがとうございました。いゃぁ、ついやってしまいました…。これからもよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (
レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - よーかさん» ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからもよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みるみるみるきーさん» 良かったぁ…。綺麗になっていく光ちゃん、にやにやしながら書いてました。（←ヤバイ奴ですね…。）これからもよろしくお願いします、姉上! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - みちさん» ありがとうございます!そう言って頂けて、とても自信になります。これからも書いて行きますので、どうぞよろしくお願いします! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
鶏飯(プロフ) - いののんさん» ありがとうございます!光ちゃん、綺麗になっていく過程書くのは、凄く楽しかったです!たかいのとは対照的なやぶひかの結末は続編でも書いて行きます! (2017年4月10日 21時) (レス) id: b5fd4be1cc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鶏飯 | 作成日時：2017年3月23日 20時
