初恋ざぼん。(tk×in♀)

yuya. 7 ページ13

海賊と医者の娘が付き合っている。


その情報が皆に知れ渡るのはあっという間だった。


最初にそれを耳にした時は誰のことだろう、といささか驚きもしたが、この島に医者の娘なんぞ一人しかいない。

よそから来て、派手な格好していた俺のことを海賊と揶揄したのだろう。



彼女とはその未熟なざぼんのこと以来、話をよくするようになった。

医者の娘というのはもっと冷たい印象があったものだが、彼女は案外面白い人で、話があった。

そして、好きになった。
本当に好きになった。



告白は、俺からだった。


「好きです。
　俺で良ければ、付き合って下さい。」


元々ダメ元だった。

彼女と俺では頭の出来が天地ほどの差があったし、第一彼女はとてつもない美人で他の学年の子からも人気があったという。

大して魅力も無い、チャラい俺が告白した所で振り向いてはくれないだろう、と思ってた。


ちきしょう。

もうちょっと格好いい告白したかったな。


そんなふうに思っていたら、彼女からありえない返事が来た。

「私も好き、です。」


その場で

「は？」
と聞きかえしてしまった俺だったが、彼女はまたくすくすと笑って

「何でそんなびっくりした顔してるのよ。」

と小突かれた。

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