37 正解を探す ページ45
それで、呼んだ理由なんやけど。とトントンが本題に入る。
しんぺい神といい、トントンといい、反応がどうもおかしい。
いくら鈍感と言われるAも勘づく程に。
が、まずは目の前の話が先だ。問いたい欲求を押し込め、頭を切り替える。
聞けば、地獄の一週間も昨日で終わり、今日から訓練に復帰する訳だが、
今後は幹部達の定例会議に自分も参加する様に、という事だった。
あちらの国の情勢や内部に詳しいAを会議に加え、具体的な対策を講じる。
重みのある役割を請け負う訳だが、この国に忠誠を誓った自分に拒否権等有りはしない。
まあ元より拒否するつもり等無いが。
『了解っす。』
「頼むわ。早速で悪いけど、午後の訓練終わったら会議室に集合してくれ。」
端的に話が終了し、一瞬静まった空気。
問い出すタイミングを見出せず、大人しく訓練に向かおうかとソファから立ち上がろうとした。のだが、寸前の所でトントンが口を開く。
「Aはさ、戦場での正解って何やと思う、」
『…？正解……っすか』
唐突な問いに頭を傾げたが、真剣な面持ちなトントンの様子に、
何か過去の選択を後悔しているんすか
と口にすれば図星だった様で、トントンは困ったように笑った。
『俺は、戦場で正解なんか――――…無ぇと思ってる。
いつでも残んのは後悔と罪悪感だけで、
これで良かったのか、とか、そんな不安ばっかり付き纏って………』
ほんの少し、トントンの目が悲し気に伏せられる。
ああ、この人にも俺みたいな奴と同じ様な気分になる日もあるのか、なんて少し意外に思った。
『でも、』
伏せられていた双眸が此方を見遣った。
『俺は俺なりに父さんに恥じねえ生き方で生きると決めてるし、
どんな選択の前でもそれは揺るがねえ。
只一つでも、曲げない芯さえあれば、それで。って俺は思う――――…っす、！』
つい熱くなり、崩れ去ってしまっていた敬語を取り繕ったが、
目の前で緋色の瞳を見開く男は、まるでそんな事等頭に無いといった様子で固まっている。
『あ、あの…？書記長…？？』
「は、はは……まさかお前から答えを貰えるとは…」
トントンは額に手を当て、俯いてしまったが、その表情はどこか清々しく感じた。
「…お礼に
『ｯ！！』
思わず勢いよく顔を上げると、トントンは「ふは、」と小さく笑い、話してくれた。
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あ(プロフ) - 更新待ってます...。。 (2022年11月26日 18時) (
レス) @page46 id: f1c4052875 (このIDを非表示/違反報告)
Luna(プロフ) - 黒カビさ〜ん！お久しぶりでっす！僕が最近いなかった理由をまとめたので見てくれると嬉しいです (2020年12月19日 16時) (レス) id: d1b989425f (このIDを非表示/違反報告)
黒カビ(プロフ) - 桜良ゆきさん» 桜良ゆきさん、お優しいお言葉ありがとうございます…！；；亀更新となっておりますが、引き続き楽しんで頂ければ嬉しいですm(_ _*m) (2020年8月20日 15時) (レス) id: 0d84c7512f (このIDを非表示/違反報告)
黒カビ(プロフ) - Lunaさん» Lunaさん、おわーーーーコメ気付かず申し訳ない…！！；；；；亀更新となってしまってますが引き続き楽しんで頂けたら嬉しいです…！ (2020年8月20日 15時) (レス) id: 0d84c7512f (このIDを非表示/違反報告)
桜良ゆき(プロフ) - いつも更新ありがとうございます！作者様こそ体調を崩されないよう、お気をくださいませ！気長に待っております⊂((・▽・))⊃ (2020年8月15日 13時) (レス) id: 82b27650f1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒カビ | 作成日時：2020年5月20日 17時
