愛しい君たちへ ページ2
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目を覚ませば、青い無邪気な瞳が目に入りました
覚束無い記憶を辿りながら、この人たちに助けられたのだと思い出し、私はあなたたちに出会ったのです
「あっ、目ェ覚めたアルカ!銀ちゃーん!新八ィ!」
「…よぉ、姉ちゃん、大丈夫かい」
「よかったぁ、心配しましたよ!」
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「…誰」
それでも警戒心を解かない私に、あなたたちは驚きもせず心配する声を掛けたのを覚えています
初めて触れた人の優しさは、不器用で粗雑で、だけど真っ直ぐな、とても強かなものでした
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「A!行くアルよ!かぶき町の女王が特別に案内してやるアル!」
「____Aさん、どうですか、かぶき町は」
「バカ言ってんじゃねえA!俺たちゃてめえの家族だろーが!」
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「………家族」
親も家族も知らない私にそれを教えてくれたのは、紛れもないあなたたちでした
傲慢で図太くて粗雑で野蛮で
だけど真っ直ぐに注がれるその愛が
私はただ大好きでした
言葉なんて交わさなくても
甘い言葉なんてなくても
それでも
道を踏み外してしまったときには殴ってでも、己の拳と心を痛めてでも連れ戻してくれる友の姿
ただ真っ直ぐ前を歩むあなたたちの背中
いつしか示された道標
隣を向けば拳を突き上げた『ダチ公』が不敵に笑っていて
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いつしか、真っ白だった筈の私の世界は銀や赤や青や、色んな色に染まっていて
混ざりすぎたそれはきっと、他人から見たら汚い色なのかもしれない
でもそれが
私の笑ってきた世界なのです
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白雪 - 泣いてしまいました。こんなに素晴らしい作品を見たのは初めてです。頑張ってください。 (2019年8月8日 19時) (レス) id: 03f6bf06e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ティアー x他1人 | 作成日時:2019年1月19日 22時