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丗漆ノ炎 ページ39

夢主side


実家に帰ったものの、やることが見定まらなかった

怪我はもう完治していると思う









刀をふろうと思えばいつだってできる、でも気力が身体を動かさない

役に立てなかった自分にも腹がたったが、今こうして挫折しているのも腹が立った



それでも刀を握れない









それが何日も続き、一週間経ってしまったのが現実である


庭の景色も飽きてしまった









愼寿郎「A」


『…?』





背後から父が私の名前を呼ぶ、気づかなかった
元々父上は昔からあまり足音がしなかった気もする









愼寿郎「刀を持って庭に出ろ」


『……え…?』





父の口から出た思いもよらない言葉に、情けない声が出る

一瞬放心状態になり、はっとして刀を取り庭に出た









庭に出ればそこには刀を持った父の姿がある
かつて、炎柱として活躍していた頃の父の記憶がよみがえった









愼寿郎「来い」



躊躇したが父の視線がずっとこちらを見ているので刀を抜かずにはいられなかった

刀を綺麗な姿勢で構える父、元炎柱と現在炎柱の刃が今が交わる









『…っ参ります』


私が足を踏ん張り接近すると同時に父もこちらに向かってくる

正面の勝負は至って単純、早く動けた方が勝つ








届く、と確信した刀は父の横腹に入り込む









直前に消えた


『…!』



父がふるった刀の刃が私の首すれすれで止まった









私の刀は届く直前弾かれ、遠くに飛ばされた

負けた









これが鬼なら私は死んでいる









『…負け、ました』


自分の弱さを突き出された気分だ









愼寿郎「明日から日が上がる前に起きろ、稽古をつける

…今のお前では無駄死にするのが目に見える」









刀をしまいながら父が言った

空耳ではないだろうか…稽古をつける、と…?









『…ぇ、でも……私は…』


愼寿郎「聞きなさいA」

両肩を掴まれ、正面を向かされる







一瞬、父の目が昔の目に戻った気がした
熱心に稽古に励んでいた頃の父上に









愼寿郎「私がお前に言えような立場ではのは重々承知してる、だが…

まだ、刀を置くには早すぎる




考えてみなさい、自分は隊士になってどれくらいの時間が経っているか」









父に言われ考えてみる、兄が亡くなった後…つまり4ヶ月ほど前だ

4ヶ月…それは案外短いものだった




『……』







…あれ、私はまだ鬼殺隊に入ったばかりではないか

丗捌ノ炎→←丗陸ノ炎



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設定タグ:鬼滅の刃 , 煉獄杏寿郎 , 炎柱   
作品ジャンル:アニメ
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烏璃(プロフ) - いつも楽しく読ませていただいております。本当に面白かったので今後も応援しています。番外編も小説になったのなら是非読ませていただきたいなと思う内容でした。楽しみに待っています。頑張ってください。 (2019年11月12日 22時) (レス) id: f27bf2df20 (このIDを非表示/違反報告)
為人(プロフ) - ありがとうございます!!!語彙力フル活動で頑張ります!! (2019年11月11日 19時) (レス) id: 8ac863d303 (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ3。(プロフ) - わぁぁ!!好きです!! こういう作品大好きなんです!!応援してます!! (2019年11月11日 17時) (レス) id: 57e27a7918 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:為人 x他1人 | 作成日時:2019年10月27日 19時

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