31話 ページ32
「Aは、スミ入れねぇの」
幹部集会で、マイキーにそう言われた。
その言葉に『じゃあ、どこがいいと思う?』と皆に訊ねた
竜「…んー、入れんなら、服で隠れるところが絶対いい。
Aは表世界で普通に生活してるだろ、危ねぇってのに」
『ラーメン屋通いだけは譲れない』
九井「頭は髪で隠れるから融通効くぞ。
頭皮弱いなら、あんまりオススメ出来ねぇけど」
『あぁ…頭皮弱いんだよね。
ブリーチしたことあるんだけど、すっっごい痛かった』
望「髪おろしてんなら、項もありじゃないか?」
『マイキーと一緒かぁ〜!じゃあ項にしようかなぁ
ねえマイキー、オソロにしてもいい?』
万「ん。好きにしろ」
__しかし、決まりかけたその時だった。
春「入れなくていいんじゃねぇの」
春千夜の言葉に皆の視線が行った。
正直私も意外だった、忠誠心が高い春千夜だったから。
蘭「へえ?サンズにしては意外なこと言うじゃん
なあ、竜胆。オレらのときと大違いだな〜?」
春「別に、思ったこと言っただけだろーが
スミがなきゃ、潜入調査にも使えんだろ」
竜「そんなの、今まで通り使い捨ての女使えばいいだろ。
死人に口なし、楽でいいってオマエ言ってたじゃん
__あぁ。Aだから、いい子ちゃんしてんのか」
春「テメェ……ッ」
『ストップ』
今にも喧嘩が始まりそうな空気だったのを制す。
『もう三十路前なんだから、喧嘩しないの』と諭すと三人は、大人しく従った。
『蘭、“アレ”ってどうなってる?』
蘭「ん?あ〜、ちょうど今日持ってきてるわ」
蘭がポケットから取り出した小箱。
その中には指輪があり、梵天である印が彫刻されている。
竜「あれ、ソレって兄貴の指輪?
いつも小指にはめてるやつと同じじゃん」
蘭「特注で同じの作ったんだよ。仕事が安定するまで、梵天だって示せるもんが欲しいって言うから」
鶴「じゃあ、ソレでもういいだろ。
ただ、Aがしたいなら入れればいい話だ」
『……じゃあ、マイキー、それでもいい…?
入れた方がいいなら入れるんだけど…』
万「好きにしろって言ったろ。
ただ、印があった方がオマエを守れると思っただけだ」
その言葉を聞いて、小箱を開けて左薬指に指輪を通した。
それを皆に見せると、笑みを浮かべ、頷いてくれる。
『これからも、幹部として頑張るね!』
しかし、春千夜だけが笑わなかった。
その指輪が__武藤康宏との婚約指輪だったから
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為人(プロフ) - ふらんそわ。さん» ありがとうございます´`* 頑張ります (2022年1月16日 21時) (レス) id: 8ac863d303 (このIDを非表示/違反報告)
ふらんそわ。 - 面白いです‼︎続き気になるッ…‼︎‼︎ (2022年1月15日 0時) (レス) id: 149dedba41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:為人 x他1人 | 作成日時:2021年10月31日 23時