24話 ページ25
俺が微笑むと、クルーウェル先生は眉間に皺を寄せて指導棒をびしっと正した
「仔犬、以前に魔法に永久的な効果はないと教えたな
それは魔法薬学においても同じだ」
『……タイムリミット、ですか』
「魔法薬において、有名な容姿を変える系統の魔法薬は基本的にタイムリミットがある。何故かというと、その効果が自然と身体から抜けていくからだという考えが妥当だろうな
だから、忘却薬程となれば永久的な物は作れないだろう。相手の一生の間、体内に残り続けることは普通ならありえない話だ」
『……願うなら、自分を忘れて欲しかったんですよ
そうすれば、アイツは俺なんかを気にすることがなくなる。悩まなくていい』
新しく生きても、過去は変えられない。自分を殺しても、アイツの心の中では昔の俺が生きている
それが、とてつもなく嫌だと感じた
「……何故、そこまで必死になる
お前たちは全く、三人とも躾がなっていないな」
『え?』
「カリム・アルアジームは真実薬のレシピを聞きに来た。お前と仲直りしたいのが、大変伝わった
次にジャミル・バイパーは、心読薬を聞きに来た。大方、カリム・アルアジームに飲ませて、お前の心を読ませようとした策だろう
そしてA・クリスティア、お前だけは逃げる策のために忘却薬を指定した」
『……』
「俺は全て同じ回答を返すようにしている
“時には魔法や魔法薬学に頼らないことも大事だ”とな」
『…っでも!』
「でも、しかしは認めない。自分の力で解決出来ない駄犬たちには、先にお手の一つでも芸を覚えるのが良さそうだ」
__こうして、一つの策は失敗に終わったのである
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為人(プロフ) - サイコパス人間さん» ありがとうございます!頑張りますね! (2020年8月17日 0時) (レス) id: 8ac863d303 (このIDを非表示/違反報告)
サイコパス人間 - 頑張ってください!!これからも頑張ってください! (2020年8月16日 23時) (レス) id: a7568b633b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:為人 x他2人 | 作成日時:2020年7月12日 2時