19話 ページ20
二人の間に強い風が吹く
まるで、二人を遮る見えない壁のように
『…カリムがさ、殺されかけたことを“あまりにも”自覚していな過ぎると思って調べたんだ
症状結果を調べた結果、全身の痺れと不整脈
つまり、アレは毒ではなく痺れ薬の方が近い
痺れ薬も大量に取れば毒になるが、実際は小さな具材一欠片分。つまり致死量には至らない』
「…どうやって調べたかは聞かない方が聞かないでおこう。大方知られればこれこそ罪になりかねない」
『あはは、お察しのいい事だな』
このユニーク魔法はなんでも作り出せる
つまり、なんでもなれる
だから真実を知るのは容易かった
「……。バレたなら仕方ない、確かアレは痺れ薬だ
そもそも何か盛った時点で反逆になるのに、本当に毒である必要は無いだろう」
何処か遠くを見つめる視線を眺め、俺も意味もない景色を同じように果てを見つめるように眺めた
「結局、叔父の言葉に俺は惑わされ結果陥れる形になってしまった。だからお前に許してもらわないよう演じもした
Aは同等に俺を見てくれたのに、悪いことをしたと思っている。本当にすまな『謝るな』」
謝ろうとした言葉を遮る
謝られてしまえば、決断が揺らぐ
お前は俺を陥れ、共に嫌っている
そして俺はカリムを裏切った罪深い罪人
見かけ上のシナリオをこのまま保っていたい
『謝らなくていい
案外今の生活も悪くないんだよ、落ちた存在だからこそ事前にカリムを守れる。汚いことも躊躇なくできるんだ』
すると、Aはポケットから一枚の紙を取り出し、それをバラバラにちぎり始めた
それを空中に放り投げ
マジカルペンを手に、空にペン先を向ける
『
空中を待っていた紙切れが、花びらへ
スイートピーの花が舞っていた
「……優しい思い出、か…全く、未練がましいな
俺を含め三人とも」
気づけばAの姿はなく
この花びらにひっそりとその場から紛れて消えていた
ジャミルは手のひらにのせたその花を、ぎゅ…ときつく握りしめていた
優しい思い出を握り潰すように
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為人(プロフ) - サイコパス人間さん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年8月17日 0時) (
レス) id: 8ac863d303 (このIDを非表示/違反報告)
サイコパス人間 - 頑張ってください！！これからも頑張ってください！ (2020年8月16日 23時) (レス) id: a7568b633b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：為人 x他2人 | 作成日時：2020年7月12日 2時
