16話 ページ17
カリムside
毒味係、世話係、家庭教師だってすぐ変わっていく
俺とジャミル、そしてAはいつも一緒だった
長くいてくれたのは二人だけだった
ずっと続くと思ってた
これからもずっと育っていくんだって
＿＿＿だけど、Aがいなくなった
「…！良かった、目が覚めたんだな」
「……？…ジャミ…ル」
目を開けると、ほっとした顔をしたジャミルがいた
安心している様子が見て取れた
数秒してから「俺、どうしたんだっけ？」と訊ねると、ジャミルは気まずそうに「カリムの食事に毒が盛られたんだ」と言った
詳しく聞けばAが犯人だと言われて
「…嘘、だよな？｣と、弱々しい声が自然と盛れた
話をしたかったけど、Aは姿をしていて
ずっと探してたけど見つからなかった
再会した時はビックリしたし、Aの冷たい言葉に言葉が出なくなっちまったけど
後から詳しいことを聞いて、寮長になった頃には色々と確信へと変わっていった
俺と同じ学年のやつ、上のやつも言ってた
口を揃えて「元寮長は優しいお方です」ってな！
談話室で何人もの寮生の話を聞いた
俺がAと再開した時。一緒にいたヤツも話を聞けば、その寮生はAの事が好きで、諦めきれないことを伝えたら
『一夜の儚い夢で終止符をうつか、ずっと未練を抱きながらこの気持ちが消え失せるのを待つ…どちらを望むかい？好きな方にしなさい』
…って、儚げに優しく微笑んでくれて
未練を断ち切ってくれたらしい
アイツは良い奴だし、優しい奴だ
…でも
「A元寮長は、いつも苦しそうでした
人からの好意から避け続けてるように見えます」
＿＿＿＿苦しそうに見える
･
･
･
「カリム起きろ、朝飯できてるぞ」
「…ん〜……まだ眠ぅい…」
ジャミルに起こされて身支度を整える
朝飯もしっかり食べて、鏡をくぐる
校舎に向かう途中、Aの背中を見つけた
俺は笑みをこぼしてその背中に向かって駆け出した
お〜いっ！！声をかけると振り返ってくれる
『げっ！！ちょ…っ！こっちに来るなぁ…っ！』
「なっはっは！！待て待て〜っ」
ある寮生の一人の会話で、あることを知った
「実は元寮長に以前“どうして毎日髪を編んでいるんですか？”って聞いたら、その時にですね
『俺の大切な人が不器用なりにやってくれて、似合っていると言ってくれたからなんだ』って言ってたんですよ」
＿＿やっぱり、Aも絶対に裏切ったりしない
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為人(プロフ) - サイコパス人間さん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年8月17日 0時) (
レス) id: 8ac863d303 (このIDを非表示/違反報告)
サイコパス人間 - 頑張ってください！！これからも頑張ってください！ (2020年8月16日 23時) (レス) id: a7568b633b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：為人 x他2人 | 作成日時：2020年7月12日 2時
