12話 ページ13
〜過去〜
最初は、ただの夢だった
陥れられたという絶望と、主の元には戻れないという悲しさに溺れていた
この時はまだ、本当のことを説明をすればカリムなら分かってくれるかもしれないって思ってた時期だった
…だが、生きるのに精一杯で日が経つ度
ある夢を何度も見るようになった
あの時。俺は確かにカリムの傍にを離れた
＿＿＿＿＿そう、ジャミル。お前を呼ぶために
『ぁ、いたいたジャミル
カリム様がお待ちだぞ、早く行こう』
「……あぁ…分かってる」
『…？どうしたよ』
いつもより声に張りがなくて、瞳に光は灯っていない
何かを決断するようにジャミルの息を飲む音が聞こえた
「恨んでくれて構わない
＿＿＿＿じゃあな、A」
『…！』
肩をガシッと強く捕まれ、額と額が合わさるほど近くにコイツの顔があって
確実に、見透かされるように《目が合ったんだ》
「瞳に映るはお前の
尋ねれば応えよ、命じれば頭を垂れよ
＿＿＿＿
『……っう゛…』
経験したことのない程の痛みに襲われた
…意識が遠のいて
気づいた時にはカリムは毒を盛られていて、俺は罪人として捕らえられていた
夢の中では、俺たち不思議な会話をしていた
「お前の主人は誰だ」
『俺の主人は…貴方様です。なりなりとお申し付け下さい＿＿＿＿＿＿ジャミル様』
ジャミルに問われ、おれが膝をついている映像を夢の中で何度も何度も何度も見た
そして、幾ら見たか分からないぐらい回数を重ねた頃
夢に続きが生まれた
「魔法で具材の一つを毒に変えろ
強い毒の必要はない。殺さないようにしろ」
『かしこまりました。
全てはジャミル様のお心のままに』
＿＿＿＿＿
この夢を見た時、これは理解した
幾ら操られていたとしても、毒を盛らされていても…
俺が持ったことに変わりはないことを
ジャミル、アイツに怒りは湧く
だが、自分で毒を盛っていたことに俺は苦しんだ
《俺は、罪人なのだ》
…ぽつり、と呟いた言葉は路地に溶けていき
その直後、黒い馬車が俺を向かいに来た
逃げるように馬車に乗り込んだ記憶がある
そして、俺は幸せになってはいけないと自覚した
寮長地位を手に入れても、尊敬され好意を抱かれても
その代わりに俺は身を穢さないといけない
罪人な俺は、幸せになってはいけないんだ
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為人(プロフ) - サイコパス人間さん» ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年8月17日 0時) (
レス) id: 8ac863d303 (このIDを非表示/違反報告)
サイコパス人間 - 頑張ってください！！これからも頑張ってください！ (2020年8月16日 23時) (レス) id: a7568b633b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：為人 x他2人 | 作成日時：2020年7月12日 2時
