死んだら典型的な夢主になってた【d!】 (ページ4)

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「やってられるか。」

頭が痛くなってきてベットに潜り込む。

パッと見ただけだけど、主人公は16歳でホニャホニャ学園入学って書いてあったな………。今の私は10歳なんだそうだ。地獄はまだまだ先である。

日記にあったイケメンの立ち絵を思い出して、再び頭の頭痛が痛くなった。いてぇなくそ。

脇腹もキシキシと痛み出し、腹を押さえるとご飯食べてないのかな？っていうくらい平べったい腹があった。

きっとお姫様抱っこされた日には「えっ軽ッ？！お前メシ食べてないのか？」とイケメンに驚かれるんだろう。

……我慢ならん

確かによくある悪女転生、あれよりはマシかもしれない。死刑もなければ追放もない。

butエンドを選ばなければ済む話。それに、この運命に抗わず1人だけ恋人作っちゃえば地獄は終わるんだと思う。

だけど。そう呟いて自分の運命を正当化させていた時に神さま☆はまた私の脳内に直接語りかけ、いらんデバフを追加してくれた。

「キャラの好感度上がりやすくしといたから！何をしても好感度上がるキャラもいるから注意だよ～？

早めに堕としたいカレ♡を目星つけないと、どうでもいいキャラとのエンド入ったり、上がりすぎてヤンデレルートで死亡もあるカモ？！」

前世でなんかバチあたりなことしたかなぁ…泣

好みのイケメンすら選べなくなってしまった。
人権ないんだが。わろすわろす。何笑ってんねん。

この「誰もが振り返る容姿」で様々なイケメンが虫の如く寄ってきて、キャラ全員に愛されるイチャイチャパラダイスの未来が目に浮かぶ。

よく分からない人からの好意より怖いものはないし、
イケメンの真ん中に自分がいて、しかもこんな厨二病みたいな容姿の人間がイケメンに求愛されるのなんて見たくない。

え、なんの羞恥プレイ？

大体、顔がわたしのタイプじゃないんだよね。

よし、決めた。私はやるぞ。

グッと背伸びして空いた窓の外から声を張り上げて叫び散らかした。

「6年間で見た目変えて地味女として過ごして成績納めてパパッとチート能力で世界救って適当に彼氏つくって官僚くらいの地位の高い職ついてバリバリ働いてついでに親孝行するぞぉー！！！！！！！！！」

ここから望まない転生によるあるある夢主のためのフラグ回避劇が始まる。

ガス灯をつけようとしていたおじさんが脚立から転げ落ちて、遠くの方から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。