その甘い匂いを俺だけのものにさせて。【竈門炭治郎】

甘い匂い　３９ ページ41

『あ…う…えと…炭…治郎…今のは…』

　
　

「……何も言わなくていいから…俺についてきてくれ…」



　炭治郎が私に背を向けて低い声で言った




　『……うん…』



　私は炭治郎の指示に従うしかなかった



　炭治郎が前へ歩くたび、私も前へ歩く




　(何だろう…すごく嫌な胸騒ぎがする…)



　下を向きながら歩いていると炭治郎の足が止まる。



　『……？』



　炭治郎の止まった先には…善逸がいた。



　『ぜ、善逸…！』


自分でも分かるくらい大きな声で善逸の名を口にしてしまった。

　
善逸の名前を言った途端、炭治郎からは嫌な気配がした。


　『あ…』



　炭治郎が怖くて咄嗟に口を手で押さえる。


「…！あー！Aちゃん！炭治郎ー！どうしたんだよ二人で〜！」


　元気に此方に手を降る善逸を見て、笑みが溢れた




　『善…』


　
急に炭治郎が私の腕を強く掴んで善逸の元へ走り出した。


　『…！っ…炭治郎…痛い…！』


　炭治郎は呼び掛けても反応してくれなかった


　
　「……？どう…したの？」


　さすがに善逸も不審に思った…よね…


善逸の顔を上手く見れずに下を向いてると炭治郎が喋った。


「…善逸…！Aの事は諦めてくれないか…！」





　




　

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