想定外結婚相手【あほの坂田】

欲張りすぎ ページ11

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『へぇ〜そうなんだね！』


「あ。そういえば！」


何かひらめいたようにポン、と手を叩く優斗くん。疑問に思っていればいきなり顔を近づけられた。

そんなのは勿論慣れていないため小さく悲鳴をあげてしまった。
推しの顔が目の前にっ……！？そう思うだけで胸が弾む。


「ねえねえ、俺のどこが好き？」


『…えぇ…！？』


「坂田家さんの生の声聞いてみたくってさ！」


どんなところが好き、か。
言葉ではうまく表せないなぁ…。


『う、うーーんと……』


私が困った顔を見せてもなお目を輝かせて私を見てくる優斗くん。


『え、えっと。まず声が好き。なんかこう…聞いてるだけで落ち着けるような…かっこよくて可愛い感じの声…！

あ、あと。なんていうか性格も好き。優しくて面白くて…いつまでも一緒にいても飽きないような幸せな感じ……』



自分でも何言ってるんだ、と後悔するも優斗くんはそっか〜！なんて真に受けて。
自然と口角が上がったのが分かってしまった。

でもそんな時私はある一つの疑問にたどり着いてしまった。



『優斗くんは私のこと…好き……？』


「……？」



困らせる質問。
本当私どうしちゃったんだろ。

前は優斗くんの歌や声が聞ければいい。時々妄想はしちゃうけれどせめて素の優斗くんを好きでいられればいいなんて思ってたくせに…。
いつの間にか優斗くんからの愛まで求めちゃって。
そんなの欲張りすぎ。


『ご、ごめんなさい、なんか変な質問しちゃって！！』


そう誤魔化して私はその場を去ったのであった。


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