レモン色の甘い恋*

Yuta side* ページ9

今となっては

Aらしいんだ

お年寄りや小さい子供には

特に優しいから









「早くホテル向かわないと

集合時間遅れるって」









腕にしてる

時計を見て








『本当だ…ごめんね』









泣きそうなAを見て

一瞬にしてこれ以上

責める様な言い方しちゃだめだ

そう思った









『本当ごめんね

私だけならともかく

一緒に居た玉森くんまで…

私ちゃんと藤ヶ谷くん達に

言うから』









可愛いの

一生懸命声張って

涙目にして

訴えるA









「いいじゃん

ふたりで怒られれば

先生の怒り半分になんじゃん」









『えっ…』









Aの手を握る勇気は

なかったから

手首掴んで

一緒に走る









この時も今も

俺はガヤの居る所に

変わらず走り続けてるんだ






ふたりで居れてんのに

俺自身が止めてるんだ






Aの幸せそうな顔を

見る事が出来るのは

ガヤが居てだから








靴紐がほどけて

一回止まる







「大丈夫？」









『ごめん、今結び直す』









「貸して」









しゃがんで靴紐結んであげる









『あ、ありがと玉森くん』









「裕太！！」









『えっ…』









「裕太でいいから！

ね？ほら、行くよA！！」









『う、うん』








この時からようやく

俺はAって呼ぶことが出来た



Aはなかなか

裕太って呼ばなかったけど

徐々に呼んでくれる様になった

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