婚約者7 ページ8
「え”っ。ちょっ、ちょっと待ってく……うわっ！？」
沢田が
僕は話し合いなんて端からする気はないのだから。
そう思いながら沢田に向けてトンファーを振り下ろすと、慌てて飛びのき、その勢いでそのまま後ろに思い切りしりもちをついた。
……なかだちに沢田を選んだのは間違いだったね。まあ、誰であろうと咬み殺してたけど。
彼は自分の仲間はもちろん、敵を傷つけることにさえ躊躇するという、僕には全く理解できない考えを持った小動物だ。
ここ十年で少しはましになったものの、彼の中で“仲間”と認知されている僕に攻撃する可能性は修行でもない限り、極めて低い。
僕は“仲間”だなんて思ったことはないけどね。そもそも僕にそんなものはいないし必要がない。むしろ、誰かと群れるだなんて考えるだけでもイライラして蕁麻疹が出そうだ。
まあそもそも、群れるのが嫌いな僕となかだちを挟んで話し合おうとする時点で間違ってるけどね。
「あのっ！ オレ、雲雀さんと話し合いがしたくてっ……っ」
「そう。僕には関係ないな」
「あ、はは……」
ですよねー、と言いたげに引きつった笑みを浮かべる沢田に追撃するが、赤ん坊の修行の賜物か、ぎりぎりのところで避けられてしまう。
「話を続けるよ」
「……なんの？」
いつのまにか縁側に腰掛けている父を睨みつけるも、父は飄々とした態度で、
「婚約者についてに決まってるでしょ？」
なんて、なんでもないことのように言った。
チッ、先に咬み殺すべきか？
まあでも、話なんて聞き流せばいいし、こっちもすぐ終わるだろう。息が少し荒くなった沢田を見て、父を一瞥してからまた攻撃をし始める。
話を聞いたからといって、見合いを受ける訳じゃないしね。
「婚約者についてだけど……気に入らなかったら、咬み殺していいよ」
「────────は？」
「ええええっ！？」
想像の斜め上をいく父の言葉に、思わず動きを止める。沢田も知らなかったのか、大声を上げて驚いている。うるさいな。少し黙っててよ。
「まあ、出来るなら、って話だけど」
……へえ。
「ねえ、その僕の婚約者とかいう奴……強いの？」
咬み殺していいだなんて……普通見合い相手に、婚約者に手をあげるなんてありえないはずだ。それぐらいは僕にだってわかる。
しかし、父がそんなことを言うということは……相当腕が立つのだろうか。
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ゆきか - 初コメ失礼します！すごく好みの作品で楽しく見させていただいています！続き待ってます！ (2019年10月28日 16時) (
レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
夢うさぎ??(プロフ) - ゆうりさん» コメントありがとうございます！ あわわ、面白いだなんて……ありがとうございます！！ まだまだですが、より面白い物がかけるように頑張ります！ (2019年7月1日 3時) (レス) id: 4da07b4f90 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうり - 関連作品ランキングにあったので、読んでみたら凄く面白くて一気読みしてしまいました。受験大変ですよね(-_-;)私も去年大変でした。 頑張ってください！応援してます！ (2019年6月30日 16時) (レス) id: 616da87ebb (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - むにゃさん» コメントありがとうございます！ 頑張ります！！ だいぶテストやばいんですが、人生初ライブなんでなんとかしたい、いやしてみせようと思います！！ (2019年4月3日 17時) (レス) id: 8a8c64050c (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 露都さん» コメントありがとうございます！ 死ぬ気で頑張ります！！ 更新はしばしおまちを……。 (2019年4月3日 17時) (レス) id: 8a8c64050c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢うさぎ | 作成日時：2019年3月26日 16時
