八十九話 ページ13
……素直にお礼言うとか。
暴れるのを止め、けれどまだ顔を赤くしたままにこりと僕に微笑みかけたツナに、思わず溜め息を漏らす。
「…仕方ないですねー。」
そんな、上目遣いのかわいい顔で頼まれたら断れないだろうが。
なんとなく負けたような気持ちになりながらも、ツナを優しく降ろした。
ちなみに、獄寺はその様子を口をへの字にして見ていたが、何も言わなかった。
「試験合格だ。おまえらも正式にファミリーだぞ。」
「サンキュー。」
いつの間にか山本の足元に移動したリボーンが、どこか嬉しそうにそう言った。合格と聞き、山本もいつもの笑顔で嬉しそうにニッと笑っている。
平和だ……！でも何かひっかかるんだよなー。
その時、ふいに獄寺が山本にずんずんと歩み寄ったかと思うと、ガッと山本の襟首を締め上げながら、
「よくやった。」
「！」
…はいごっきゅんのデレ頂きましたー！！！やだ山本に笑顔見せるだなんてレアじゃない？
山本も驚いたように目を見開いてるし。
「……てめぇもな。」
これは言いたくなかった、という気持ちが伝わって来るような、嫌そうな顔をしながら獄寺は僕に向けてそう言った。
うわ。うわうわうわ。
「…かわいいですねー。」
「なあっ！？」
獄寺は目を見開き、怒りか、それとも照れているのかわからない赤い顔になりながらも、
「…じゅ、十代目を守ったんだ。ファミリーと認めねーわけにはいかねぇ。」
コホン、とひとつ咳払いをすると、僕から目をそらしながら気をとりなおしたようにそう言った。
あー、もっと照れた顔見たかったなー。
写真取ったからいいけど。携帯って便利だよね。
「でも十代目の右腕はオレだからな。おまえはケンコー骨だ。んで、てめぇは……。」
「け…ケンコー骨！？」
謎のケンコー骨チョイス。左腕じゃないのね。つか骨なのね。
獄寺が他に何か言いかけたが、山本の驚いたような声に遮られてしまっていた。
まあそりゃ驚くわな。
「前から思ってたけど、獄寺って面白ぇー奴な！」
…そこで笑顔になれるとは。すげー。
てかあれ？何か僕、大事なことを忘れてるような…なんだっけ？
「だがツナの右腕を譲る気はないね。おまえは耳たぶってことで。」
わあイケメン。キメ顔だ。……でもその顔で耳たぶって……。
つかどーゆーチョイスだよ。
「んなぁ！？」
「……あーあ。」
思わず声をあげるツナに続いて、僕も呆れたような声を漏らす。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 102人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
月紫 - 更新、待ってます。無理をしない程度に頑張ってください。 (2020年9月27日 21時) (
レス) id: 5ec5a7e528 (このIDを非表示/違反報告)
夢うさぎ(プロフ) - asukaさん» コメントありがとうございます！！めちゃくちゃ優しいコメントだ……頑張ります！！ (2019年4月25日 18時) (レス) id: 8a8c64050c (このIDを非表示/違反報告)
asuka(プロフ) - 更新、とっても楽しみにしています！がんばってくださいね！＾＾ (2019年4月24日 20時) (レス) id: 326cbaa1c0 (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 弥生さん» ありがとう！！頑張るね！！……骸さんピュアにしたかったのにできなかったが(白目) (2018年12月7日 23時) (レス) id: be5de4e45a (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - 学校から帰って読んだら発狂した(*´∀｀*)疲れがぶっ飛んだぜ☆楽しみにしている!! (2018年12月7日 22時) (レス) id: 6f48ec4925 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢うさぎ | 作成日時：2018年11月29日 5時
