七十七話 ページ44
「……ところで。」
「？………なんですかー？」
聞き返し、センパイの方に顔を向けた瞬間。
ぐいっ、とセンパイの顔が近づいてきたと思ったら、コツン、と額と額がぶつかった。
「……！？！？センパイ、次からは体温計で測って欲しいって言ったじゃないですかー！！」
びっくりしすぎて一瞬反応が遅れてしまった。
「…熱はほぼないみたいだね。おじや作ったけど食べるかい？」
…人の話を聞くということを知ろうぜ、センパイ。
しかし…
「食べます。」
ここは即答せざるを得ない。
昨日から何も食べてなくてお腹空きすぎたし。
あ、でもその前に…
「お風呂行ってきますねー。」
僕としたことが…昨日お風呂に入っていなかったではないか！！
「…ん。これからも風呂に入る前に僕に言ってね。間違えて入ったら困るから。」
「……それ、どーゆー意味ですかー？」
「は？さっきも言ったでしょ。僕、ここに一週間泊まるから。」
「………。」
……………………。
……き、聞き間違いじゃなかったぁぁぁあ！！！
「あ"ぁー…。疲れたー……。」
とぼとぼとおぼつかない足取りで学校の廊下を進んで行く。窓から見える空は、そんな僕を皮肉るかのように青々と晴れわたっていた。
心なしか近くを通りすぎた生徒達が僕のほうをちらちらと見ているように感じる。
理由は明確だ。そう。僕は、一週間ぶりに学校へ来ていた。
……ハァ。なんでこんなに気が重いんだろう。自分でもよくわからない。
…ここに来る前は、学校へ行きたくて仕方なかったのに。
この一週間のことを思い出すと……うぉぉぉおっ！！消え去れ記憶！！思い出したくないわ！！！
簡単に言うと、恥ずかしくて死にそうでした。まる。
……なんで毎朝起きたら隣で雲雀センパイが寝てたんだろうなぁ。
毎朝毎朝、目覚まし時計よりものすごくはっきりと目覚められちゃったわ。
結局思い出してしまい、頬が熱くなるのをこらえながらも少しずつ教室へと足を進める。
……あ。原因わかったわ。気が重い。
あれだよ、一日学校休んだらその次の日教室に入りづらいっていうあれだよ。
しかも、あれの七倍だよ、もう。
……休みすきだろぉぉぉお！！
過保護か！？センパイ過保護なのか！？
そんな僕弱々しい！？つーか弱ってた！？
かなり丈夫な方だと思うんだが。
またぐるぐると考え始めてしまうものの、そろそろ遅刻だとなんとか重い足を進めようとした瞬間だ。
「ちゃおっス。」
かわいらしい声が、足下から聞こえたのは。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - seraさん» ありがとうございます！ (2018年11月20日 17時) (
レス) id: be5de4e45a (このIDを非表示/違反報告)
sera(プロフ) - アドバイス、夢さんのボードの方に書かせて頂くのでよろしければそちらを見てください。 (2018年11月19日 19時) (レス) id: 28f01b04a4 (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 弥生さん» ありがとう！！今回はハロウィンのに比べて糖度低めになると思うけど完結は約束するぜ！！ (2018年11月11日 22時) (レス) id: a76610752b (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - ポッキー!!!頭のなかで二人の光景が思い浮かんでさらに爆笑していた(ﾟ∀ﾟ≡ﾟ∀ﾟ)夢ちゃん頑張ってね(*´∀｀*) (2018年11月11日 18時) (レス) id: 6f48ec4925 (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 美香さん» フラグついたのはこちらだけなのでおそらく違うと思われます。コメントありがとうございます！！ (2018年11月8日 22時) (レス) id: a76610752b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ | 作成日時：2018年10月14日 8時
