六十六話 ページ33
side雲雀
「すー…すー…。」
かすかに寝息が聞こえる。
先程まで騒いでいた彼女がやっと静かになったと思ったら、眠ってしまったらしい。
「ホテ…イ…チク…。」
「？」
ホテイチク…？
※マダケ属に属する竹の一種。メンマ(シナチク)にも加工される。
「まって…。」
そう言いながら涙をこぼすA。
「………。」
…一体どんな夢を見ているのだろう。
彼女は本当に変わっていて、理解できないときがある。
だから、僕のペースを乱すのかもしれない。
…まあ、それが嫌かといえば、そうじゃないのだけれど。
今日だって……
「…ん……。」
小さな吐息が聞こえた。
「っ！……うっ…。」
そんな気がして顔を上げると、Aが勢いよく起き上がったところだった。
…熱があるのに、バカじゃないの。
「…起きた？」
「あ…ヒバリセンパイ…？」
気づいていないようだったので、声をかけた。
熱のせいで頬が赤くなり、うるんだ瞳がこちらを向く。
…いつもなら、そんな顔に胸の高鳴りを覚えるのに、今はむしろ、胸が締めつけられるように苦しい。
「センパ…！？」
「……ごめん。」
気づいたら、抱きしめていて、気づいたら、謝っていた。
彼女を抱きしめていたのはきっと、苦しそうな彼女の顔を、見たくなかったからだと思う。
顔はとても熱かったのに、体は氷のように冷たくて、ゾッとした。
「……どうしたんですかー、いきなり。」
「……ごめん。」
自分でもわかるくらい、震えた情けない声で何度も謝る。
これで、許してもらえるとは思わないけれど。
…って、それじゃあ僕の自己満足じゃないか。
…そう。ただの自己満足なのだろう、これは。
Aが倒れたのは僕のせいなのに、気づけなかったのは僕なのに。
自分でやっておいて、謝るだなんてバカげている。
それでも僕は、ただただAに謝り続けた。
「…君が倒れたのは、僕のせいだ……ごめん。」
無意識に、彼女の背中に回した手に、力がこもってしまっていたかもしれない。
彼女に拒絶されることが………怖い。
「……ハァ。違いますよー。」
溜め息をつきながら言うA。
そのいつも通りの様子に少し安堵しながらも、疑問に思う。
だって、何が違うというのだろう。
「僕が倒れたのは、僕の自己管理力が足りなかったせいで、センパイのせいじゃないですー。」
そう言いながら、背中に回される手。
…何故かそこから、体が少し熱を帯びるようで、暑かった。
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夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - seraさん» ありがとうございます！ (2018年11月20日 17時) (
レス) id: be5de4e45a (このIDを非表示/違反報告)
sera(プロフ) - アドバイス、夢さんのボードの方に書かせて頂くのでよろしければそちらを見てください。 (2018年11月19日 19時) (レス) id: 28f01b04a4 (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 弥生さん» ありがとう！！今回はハロウィンのに比べて糖度低めになると思うけど完結は約束するぜ！！ (2018年11月11日 22時) (レス) id: a76610752b (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - ポッキー!!!頭のなかで二人の光景が思い浮かんでさらに爆笑していた(ﾟ∀ﾟ≡ﾟ∀ﾟ)夢ちゃん頑張ってね(*´∀｀*) (2018年11月11日 18時) (レス) id: 6f48ec4925 (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 美香さん» フラグついたのはこちらだけなのでおそらく違うと思われます。コメントありがとうございます！！ (2018年11月8日 22時) (レス) id: a76610752b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ | 作成日時：2018年10月14日 8時
