六十三話 ページ30
ずいっ、と薬の入ったコップを顔の前に近づけられる。
うえっ…もう匂いからして無理だわー。
ん？お前前世高校生だったんだから、精神年齢29歳だろって？それくらい飲めって？
ふははは残念、死んで若返ったから精神年齢は16で止まってるんだよーだ！バーカバーカ！！
…ごめんなさい冗談だからそんな変態を見るような目で僕を見ないで。
脳内でそんな下らない茶番をしていると、顔の前のコップがいつの間にかなくなっていた。
不思議に思っていると、不意に顎を持ち上げられる。
「んんっ…………！？」
「んっ………。」
唇を合わせられたと思ったら、舌で口をこじ開けられる。
そのまま苦い味の薬が口に流れ込んできた。
流石に戻す訳にはいかないので、涙目になりながらも薬をなんとか飲み込む。
「んっ……ふぁ！？」
というか…いい加減離して欲しいのですが！？
つか、冷静になって考えると、何しちゃってんのこの人ォ！？！？！？
「んんっ、んんんぅ！！」
トントンとセンパイの胸を叩くが、それでも離してはくれなかった。
そのまま探るように口の中に舌が入ってきた。
…って、
「…いい加減にしろーっ！！」
雲雀センパイの腕をつかみ、保健室の壁に向かって投げ飛ばす。
あれ、軽く投げたつもりなのに壁にひびが入ってしまったぜ。
じゃ、なくて！！
「あんた頭大丈夫ですかー！？」
僕が思うにだいぶぶっ壊れてるよ！！
……っう、叫んだら頭に響いてクラクラする…。
「…何で？」
こ、こいつ…！！！
「薬飲ませてくれたのまではまだ！まだ許せますけど、その後ですよっ！！」
薬のことも百歩譲ってだからね！？
お前は純情な乙女に殺されるレベルのことしてんだぞ、わかってんのかゴラァ！？
「別に…したかったから？」
何で疑問系！？
……もういいや、僕もうすごい疲れたよ。
この人には何を言っても無駄な気がする。
僕は死んだ目でセンパイを見て、
「……僕一回寝ますねー。おやすみなさーい。」
と落ち着いた声で言った。
センパイはぱちぱちと目を何回か瞬かせた後、
「ダメだよ。」
と、何処か真面目な顔をしてそう言った。
？わがままって感じじゃないけど、何でダメなんだろう。
「もう夜の8時なんだから。帰らないと。」
……………。
「…センパイ、それできれば最初に言って欲しかったですー。」
遅すぎだろ！？僕朝からそんなに寝てたの！？
すげぇ人生最高記録だわ。
じゃなくて、どーしよー！？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 117人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品が参加のイベント 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - seraさん» ありがとうございます！ (2018年11月20日 17時) (
レス) id: be5de4e45a (このIDを非表示/違反報告)
sera(プロフ) - アドバイス、夢さんのボードの方に書かせて頂くのでよろしければそちらを見てください。 (2018年11月19日 19時) (レス) id: 28f01b04a4 (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 弥生さん» ありがとう！！今回はハロウィンのに比べて糖度低めになると思うけど完結は約束するぜ！！ (2018年11月11日 22時) (レス) id: a76610752b (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - ポッキー!!!頭のなかで二人の光景が思い浮かんでさらに爆笑していた(ﾟ∀ﾟ≡ﾟ∀ﾟ)夢ちゃん頑張ってね(*´∀｀*) (2018年11月11日 18時) (レス) id: 6f48ec4925 (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 美香さん» フラグついたのはこちらだけなのでおそらく違うと思われます。コメントありがとうございます！！ (2018年11月8日 22時) (レス) id: a76610752b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ | 作成日時：2018年10月14日 8時
