六十二話 ページ29
時間を確かめようと立ち上がろうとしたものの、足に力が入らず、前にふらりと倒れこむ。
「わっ……。」
「………やっぱり、まだ熱があるみたいだね。」
…直前に間一髪センパイが支えてくれ、ベッドに寝かしつけられる。
そうか…僕は熱があるのか。どうりで頭が重いわけだ。
なんて考えていると、突如センパイの顔が近づいてきた。
「おぶっ！？」
「……さっきまでよりは下がったみたいだね。」
コツン、と軽く額をぶつけると、そんなことを抜かした。
まさか…
「…寝てる間もこーやって熱はかったんですかー？」
「そうだけど。」
平然とそう答えるセンパイに、熱い顔をさらに赤くさせてツッコむ。
「…センパイ、この世には体温計というとても便利な道具があるの、知ってましたー？次からそれではかってもらいたいんですがー。」
「ヤダ。」
お前そればっかだな！！
…もう溜め息しか出てこないわ。
僕がジト目でセンパイを見つめていると、センパイは思い出したように、
「そういえば解熱剤を医者からもらったんだ。起きたから飲ませないと。」
と言うと、いそいそとカーテンから出て行った。
その姿が何故か…
「似てる…。」
フランが風邪を引いたときの僕と重なった。
いやー、あの時は本当に死ぬほど心配したよ。
一晩中寝ずに看病してたら僕にうつっちゃったんだけど、ほら、風邪はうつした方が早く治るっていうじゃん？だからちょっと嬉しかったんだよね、むしろ。
それに…フランの風邪だし…。
ちょ、おいそこ、変態とか言うな、○○○○と言え。
というか、医者…？
「医者に、診せたんですかー？」
「あぁ、君が全然目を覚ます気配がなかったからね。ウィッグを被せたから、心配しなくていいよ。」
「…ありがとうございますー。」
センパイってこんな気配りができる人だったのか。
うん、初めて知ったぜ。
あ、そういや、今何時なんだろう。
「センパイ、今何…「ほら、これ飲みなよ。」…。」
何故そこでさえぎる。
…そう言いながらセンパイが差し出してきたのは、いかにも苦そうな薬だった。
………うおっふ。
僕前世から薬は錠剤じゃなきゃ飲めないんだけどー。
液体とか絶対無理なんだけどー。
「センパーイ、僕もうすっかり元気なんでいらないですー。」
「さっき倒れかけたのに、なに言ってんの。」
今度は僕がセンパイにジト目で見られる。
いやん、そんな目で見ないで〜。
…………うん、きっしょ。
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夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - seraさん» ありがとうございます！ (2018年11月20日 17時) (
レス) id: be5de4e45a (このIDを非表示/違反報告)
sera(プロフ) - アドバイス、夢さんのボードの方に書かせて頂くのでよろしければそちらを見てください。 (2018年11月19日 19時) (レス) id: 28f01b04a4 (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 弥生さん» ありがとう！！今回はハロウィンのに比べて糖度低めになると思うけど完結は約束するぜ！！ (2018年11月11日 22時) (レス) id: a76610752b (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - ポッキー!!!頭のなかで二人の光景が思い浮かんでさらに爆笑していた(ﾟ∀ﾟ≡ﾟ∀ﾟ)夢ちゃん頑張ってね(*´∀｀*) (2018年11月11日 18時) (レス) id: 6f48ec4925 (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 美香さん» フラグついたのはこちらだけなのでおそらく違うと思われます。コメントありがとうございます！！ (2018年11月8日 22時) (レス) id: a76610752b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ | 作成日時：2018年10月14日 8時
