五十九話 ページ26
side雲雀
キーンコーンカーンコーン
昼休みのチャイムが鳴り響く。
しかし、それでも彼女がいっこうに目を覚ます気配はなかった。
…やはり、医者に診せるべきだろうか。
そう思いながらも、いやでも…いう気持ちもあり、なかなか決められない。
「委員長、失礼します…。」
「…何？」
草壁が保健室に入ってきたので、慌ててカーテンの中から出る。
こうして誰かが入ってきても彼女を見られないように、ベッドの周りにはカーテンをめぐらせてある。
その中に僕も入り仕事をしているから、草壁がカーテンの中に入る前に自分から外に出た。
「追加の書類を持って参りました。」
「そこに置いといて。」
「はい。……Aさんの様子はどうですか？」
「…まだ目を覚まさないよ。」
「…お言葉ですが委員長、もし重い病気だったら、手遅れになる前に早く医者に診せるべきです。」
「………………。」
わかっている、そんなことは。
「委員長！」
草壁がまるで指図するように強く僕にものを言うなんて珍しい。しかし、僕はその事に、怒りよりむしろ不安を募らせてしまう。
「…………信頼できるのを呼びなよ。」
「！！ありがとうございます！今すぐ！」
…別に草壁に言われたからじゃない。目を覚まさないAが心配だっただけだ。
そこまで考えて、思わず心の中で自分を嘲ってしまう。
僕が心配だなんて…ね。
こんな感情、名前は知っていても、一生抱くことはないと思っていたのに。
「それと、」
「なんでしょう？」
急ぎ保健室を立ち去ろうとしていた草壁に、一番忘れてはいけないことを伝える為に呼び止める。
「医者を呼ぶ前に、ウィッグを持ってきて。」
「ウィッグ…ですか？」
「うん。」
草壁は怪訝そうな顔をしたが、僕の命令は絶対だとよくわかっているので、何も聞かずに、
「わかりました。色は黒でいいですか？」
と答えた。
「うん。Aに被せるから、サイズと長さは間違えないでね。」
「わかりました。すぐに持ってこさせます。」
そう言うと、今度こそ保健室を出ていった。
カーテンの中に入り、ぐっすりと眠っているAの頬をそっと撫でる。
「A、早く起きないと…咬み殺すよ。」
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夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - seraさん» ありがとうございます！ (2018年11月20日 17時) (
レス) id: be5de4e45a (このIDを非表示/違反報告)
sera(プロフ) - アドバイス、夢さんのボードの方に書かせて頂くのでよろしければそちらを見てください。 (2018年11月19日 19時) (レス) id: 28f01b04a4 (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 弥生さん» ありがとう！！今回はハロウィンのに比べて糖度低めになると思うけど完結は約束するぜ！！ (2018年11月11日 22時) (レス) id: a76610752b (このIDを非表示/違反報告)
弥生(プロフ) - ポッキー!!!頭のなかで二人の光景が思い浮かんでさらに爆笑していた(ﾟ∀ﾟ≡ﾟ∀ﾟ)夢ちゃん頑張ってね(*´∀｀*) (2018年11月11日 18時) (レス) id: 6f48ec4925 (このIDを非表示/違反報告)
夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ(プロフ) - 美香さん» フラグついたのはこちらだけなのでおそらく違うと思われます。コメントありがとうございます！！ (2018年11月8日 22時) (レス) id: a76610752b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢@雲雀さんのムスッがかわいすぎてヤバイ | 作成日時：2018年10月14日 8時
