シンデレラ・ストーリー【13】

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あ「なに言ってるの?」






千「お願い…10秒だけだから」







あ「でもっ」








千「そしたらちゃんと


諦めるから」







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千賀くんの目が



私の瞳に映る






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千「…もう、限界です」






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優しく私を抱きしめた千賀くんの腕は




ほんのちょっと



震えてて









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千「俺はずっと、先輩の味方ですから…っ」






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声も震えてた









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あ「ありがとう」






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10秒たって



私をゆっくりと離した千賀くん








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千「よしっ!!

先輩より可愛い女の子


捕まえちゃうもんねっ!!」







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あ「ふふっ(笑)」









ちょっとだけ溢れた涙を拭いて



にっこり笑った千賀くん







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千「いつでも相談、聞きますから」







あ「うん」







千「後でやっぱり


俺がいいとか言っても遅いですからっ!!!」






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あ「はいはい(笑)」









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千「バレンタインチョコ

楽しみにしてますから!!!」






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あ「えぇ!?」





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千「お願いしますよぉっ…」





先輩のが無くちゃ


二階堂に負けちゃうからって



すがるように言って来た千賀くん









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千「友チョコ…って事で」







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ふんわり微笑みながら









千「やっぱり、後で俺がいいとか言っても



遅いですからねーっ!!」






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また、そう言って



屋上から消えて行った









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あ「…ありがとう」





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誰もいなくなった屋上に





千賀くんのことを思いながら






一言ポツリとつぶやいた








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