シンデレラ・ストーリー【13】

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「受け取って…くださいっ…//」









その、チョコを突き出す手は



ぷるぷると震えてて








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あ「…私、あっち行ってるね？」









なんだか




見るのが辛かったから






その場から離れようとした




その時









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あ「…わぁっ!!!」






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私の腕を、


宏くんがぐいっと引っ張り








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北「この子、俺の彼女なんだ」




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「…っ、そうですか」






北「本当に大好きな人だから

傷つけたくないって思ってる」







「…」








北「だから、気持ちは嬉しいけど


この子以外のチョコは受け取れない




ごめん」









そう言った途端




泣いて、私たちの前から消えた女の子









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あ「ねぇ、宏くん」


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北「…ん？」




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あ「今日、何回目？」







北「…6回目くらい？」







あ「…あげた女の子も


勇気、すごい出したと思うし…



もらってあげた方が…いいんじゃ…ない？」




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きっと



宏くんにチョコをあげようとする女の子は




まだまだ山のようにいる









あ「みんな、傷ついちゃうよっ…？」







きっと



勇気を出して



宏くんにチョコをあげる女の子たちは






一生懸命作ったチョコを




恋が実らなくても、



受け取って欲しいはず









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北「A」







あ「…え？」







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北「好きだよ」





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あ「…宏くん？」









北「好きな人からのチョコじゃないと



俺は受け取らない」






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あ「…」






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北「俺が好きなのはAだけだ」









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北「だから、Aからのチョコしか



受け取らないよ」









そう言って



私を優しく抱きしめた宏くん








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あ「…ありがとうっ」





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こんなに優しい宏くんの彼女になれて








本当に私は




幸せ者だ








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