響くは鈴の音、下駄の声。【銀魂】【神威】

其の拾 出会ってフリーズ篇 ページ13

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藍乃「A様、お帰りなさい！」


「ただいま。変わりないかい？」


藍乃「‥‥‥‥‥変わりなくなりつつあるから嫌。」


「‥‥‥‥来てるのかい。あのクソ餓鬼‥‥‥！」


髪をグシャッと掻き、苛立つ腹を紫煙で何とか抑えようとするが、ムカつく。ムカつく、死ね、死ね、死ね。


廊下を早歩きで渡り、自室の襖を勢い良く開けると、最早見慣れたサーモンピンクのアホ毛が視界に入った。


神威「あ、帰ったの？」


「また来たのかい、飽きない奴じゃ。」


神威「まぁね」


まるで我が家のように寝転がり、くつろぐ神威を見ながら、鏡台の前に座る。引き出しの化粧品を一撫でし、薄いピンクの口紅を取る。


神威「薄い紅？珍しいね。化粧するの？」


「こんなババアが何故こんな若者の紅をつけるんじゃ。これから来る客にやるのよ」


神威「客？《彼岸の夢》楼主が直々に相手するなんて、一体どこのお偉いさん？」


「無職同然の男じゃ。一応、借りもあるし、見ていて無様なのでな。あっちが金欠になったら、大体ここに呼ぶ。」


神威「へぇ、面白そう。俺もここにいて良い？」


「ダメと言ったところで、おんしは帰るか？」

神威「帰るわけないじゃん」
「誇るな」


紅の他に、髪飾りや、古い服を見繕っていると、聞き慣れた甲高い声がした。



「Aーーー！来たアルよー！」



と言いながら、襖を開ける神楽。


神楽「A！久しぶりネ！いつもありがとうア‥‥‥ル‥‥‥？」


元気の良かった声が、最後の方になるとかぼそくなる。その視線の先には、もちろん寝転がるそいつがいて。


神楽「何で‥‥‥お前が‥‥‥」
新八「神楽ちゃん！早いよ！あ、Aさん。お久しぶ‥‥り‥‥‥」
銀時「腹減った、早くなんか‥‥‥‥」





神威「あれ？お侍さん達？」

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