予想外の帰宅 ページ12
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「『ただいま』」
玄関のドアを開けると、久しぶりに見る靴が並んでいた。
『えっ、うそ、兄さん帰ってるの？』
「お、ほんまやん靴ある」
『ひぇ〜！！！ねえぞむ、髪型変じゃない？大丈夫？』
「おー、いつも通り可愛いで〜」
『ほんとに？ほんと？』
「ん？おかえり」
ゾムと玄関であたふたしていると、リビングから兄さんが顔を覗かせた。
『兄さんっ！おかえりなさい！』
「あれ？俺が今お帰りっていう番じゃなかった？まぁいいか、ただいま」
『えへへ、ほんとに兄さんだぁ』
兄さんは誰の兄というわけでもないが、一番ここに長くいるらしく、みんなで兄さんと呼んでいる。
そして私の初恋の人。大ちゃんと遊んで何回目かで初めて兄さんを見つけたとき、すごい衝撃が体に走った。少し離れたところでみんなを見守っている、優しそうな高校生のお兄さん。それだけで小学生の心を鷲掴みにできた。
そんな兄さんも今や24歳。しんぺいさんと同い年だけど、子どもたちの体調管理を任されて家にいるしんぺいさんとちがって、兄さんはバリバリ会社で働いている。そのためあまりここの家に帰ってくることはない。
タバコを吸いに行くという兄さんの後を追ってベランダに出た。
『お仕事大変じゃない？』
「まぁ、大変じゃないって言ったら嘘になるな〜。」
『私も、私も稼げるよ。アルバイトするし、だから』
「だーめ。学生の本業は勉強。」
『でも…』
「でもじゃない。」
不満気な顔をしていたのがバレたのか、ほっぺたをつんつんと突かれる。
『お金があったら、兄さんもっと帰ってきてくれるでしょ？』
「ん？」
『だから、私がバイトしたら…』
「え？A、帰ってきてほしくてバイトするって言ってんの？」
『そうだよ？』
「可愛いなぁ」
『ちょっと！本気なんだよこっちは！』
「ありがとなぁ」
頭をワシャワシャと撫でられる。私の事を犬だとでも思っているかのようだ。
「たった一人のかわいいかわいい妹のお願いやし、今度からもうちょっと帰るようにする」
『ほんと？でも無理はしないでね。』
「わかってるって」
えへへと笑いあうと、ぐるちゃんが家の門の近くまで帰ってきているのが見えた。大変！！晩御飯の準備がまだだ！！
兄さんとのおしゃべりを中断し慌ててベランダからキッチンへと移動した。
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ながいぱん - とっても癒されました〜(о´∀`о) 大家族って大変そうだけれど楽しそうですよね。 素敵なお話ありがとうございます！ (2021年6月11日 21時) (
レス) id: 8f2a60deb6 (このIDを非表示/違反報告)
餡忍糖婦(プロフ) - 愛月咲良さん» コメント2件も！ありがとうございます。勝手なイメージでrbrさんは最年少になりました。癒やしと言っていただけてよかったです。みんなを探し回る話が今までの中で1番不安だったので、共感していただけたのもとても嬉しいです。ありがとうございます^^ (2021年6月3日 22時) (レス) id: a7abdc7083 (このIDを非表示/違反報告)
愛月咲良(プロフ) - うあああ…風邪の時家に居なかったら怖くなるから誰か居ないか探すのあるから凄く共感… (2021年6月2日 0時) (レス) id: 4a6d894003 (このIDを非表示/違反報告)
愛月咲良(プロフ) - rbrさん最年少なのかわよ。癒しですね！！ (2021年5月31日 16時) (レス) id: 4a6d894003 (このIDを非表示/違反報告)
餡忍糖婦(プロフ) - みかんさん» 紹介ページまで目を通していただきありがとうございます！紫を入れた名前がなかなか無くて、やっと見つけた名前だったのですが、確かに言われてみればちくしょうに見えなくもないですね笑 (2021年5月14日 12時) (レス) id: a7abdc7083 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：餡忍糖婦 | 作成日時：2021年5月6日 16時
