かっぷる＊STORY

嘘つきサンタ ページ42

『ごめん…仕事になった。時間必ず作るから改めて2人でクリスマスしよう？』


恋人達が盛大にイチャイチャする日に
私へと届いたメッセージは今日の約束のドタキャン


彼は気付かないかもしれないけど
今日のために新しくしたネイル
いつもより時間かけてしようと思ってたメイク
昨日の夜中まで作ってたケーキ

全部が無駄になっちゃった。



改めて…って言ってくれてる彼の優しさは分かってるけど
やっぱり悲しいなって画面見つめながら大きなため息をつく


一般人の私達だって何かと忙しいこの時期
彼らはその何倍も忙しいはずで
彼女の私はそれを理解しなきゃいけない。



負の感情を何とか押し込んで


『大丈夫だよ、お仕事頑張ってね』


って可愛いスタンプを添えて返事をした。



今日は1人酒かな…
ケーキはもったいないから明日会社に持って行って食べてもらお


まだ夕方だから早いけどする事なくなっちゃったし
まぁいいかってやる気のない部屋着に着替えて
適当におつまみ作ってビールタイム。

そんな事してれば
あっという間に辺りは暗くなって
ゴールデンタイムのテレビからは
クリスマスクリスマスって聞きたくない言葉ばっかり


押し殺してたはずの負の感情が顔を出しては
ビールで流し込むそんな事の繰り返し。
クリスマスにこんな格好でテレビ見ながら一人酒って…
本当は彼と過ごすはずだったのにな


お酒のせいで重たくなった瞼を開く気力もなくて
ダメだって思いながらも身体はソファーへと沈んでいった。

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