四話/ そういう関係とは ページ4
｢空腹かい少年、と……可憐なお嬢さん？｣
2人が先程より離れた位置にいることも、Aが死んだ目をしていることもさほど気にしていないらしく男は薄く微笑んだ。
｢いや、違、私は別に……｣
｢ふうん。少年もかい？｣
｢じ、実は僕、ここ数日何も食べていなくてーー｣
ぐううぅう、と
今度は敦ではなく男の腹が鳴った。3人の白い視線が交差する。
｢私もだ。ちなみに財布も流された｣
｢えぇ？助けたお礼にご馳走っていう流れだと思ったのに｣
｢敦君、本音が漏れてるよ｣
頭を抱える敦にAがこそっと耳打ちした。
そのあまりの顔の近さに気づき敦は赤面する。
幾ら何でも距離が近すぎる。自分の事を男として見ていないんじゃないか。否、
敦に思わせるほどに、Aの敦と云う男に対する距離感は皆無だった。
そんな2人の様子を見ていた砂色外套の男は顔を赤らめ、口元を手で覆って、
｢……若しかして君達はそういう関係なのかい？｣
｢ち、がいますよ！ね、Aちゃん！！｣
敦がAに同意を促す。が、事の発端を引き起こした犯人は首を傾げ、暫く考える素振りを見せた後、
｢ごめん。そういう関係って？｣
敦に真逆の説明を求めた。
｢Aちゃん！？｣
顔を赤く染めて説明していいものかと悩む敦を尻目にAは1人思考していた。
ーーあの男は財布を持っていないと云っていた。
つまり敦にご馳走する金が無いということだ。
だったらここに居る必要なんてない。適当に切り上げて敦にゆっくりご馳走をしてあげよう。そうだ、虎の話もそこですればーー、
と、彼女は思い描く理想に胸を高鳴らせた。
その理想を間接的とは云え理想主義男に壊される事も知らず。
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女中(プロフ) - よくねたしおだおぉぉぉぉ！！！さん» 米有難うございます励みになります！！！初めてコメントとかきて過呼吸なりました(Tほんとに！！有難うございます！！！ (2022年2月7日 9時) (
レス) id: 44e9453d1b (このIDを非表示/違反報告)
よくねたしおだおぉぉぉぉ！！！ - ｳﾜｧ、、好き、、もっと評価されるべき！更新待ってます！！！ (2022年2月6日 19時) (レス) @page45 id: a2762c3708 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：女中 | 作成日時：2021年12月4日 16時
