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二十八話/各々の視線の意味 ページ28

賢治のような視線を向けられるのは何時(いつ)ものことなので余り気にならない。
だが、国木田と太宰のような視線は余り向けられる機会が今迄無かった為苦手だった。
自分の命を脅かしかねない程の危険なもの。悪意あるもの。少なくとも、Aにとってはそうだった。

故に、どうされたんですか?の意を込めてきょとんとした顔をつくって二人を順番に見やってやった。
そんなAの反応に国木田は拍子抜けの顔で溜息をつく。


「ーーーー」


その国木田の溜息を見届けたAは口の中で安堵して、何事も無かったかのように賢治との会話を再開し始めた。

Aと賢治の会話には途中から与謝野晶子と云う妖艶な顔立ちの女性も参加してくれたお陰か大盛り上がりだった。
ふと、こんな真夜中に大騒ぎして良いものかと云う考えが一瞬頭を過ぎる。だが、其処は空気を読んでAも大いに盛り上がった。
ーー例えばこんな具合に、


「国木田さんと太宰さんって何時もあんな感じなんですか?」


「そうですよ!仲良しですよね!!」


「妾はあれを仲良しッて云うのは違うと思うけどねェ」


「それは…私も思います」


包帯男と理想眼鏡初対面敦暴力男とは違い実に中の良さそうな会話だ。それも、今日初めて会った人達の会話とは思えない程に。二人とも会話上手なのだろう。それに良い人そうだ。


「ーーーー」


一先(ひとま)ずは此の二人と仲良くなれたことに安堵するA。

唯、あんなに五月蝿かった太宰が会話に入って来ないことと国木田がやたら此方を見つめてくること。そして、隣を歩く青年が全くと云って良い程に話し掛けてくれないことが気に掛かる。

太宰は何を考えているのかよく分からないし、国木田は大方太宰に、敦とAが云えない関係だと云う嘘を吹き込まれての行動だろう。

なので、消去法で話したことの無い青年の方を目だけで見やった。自分が何かしてしまったのかと、気に食わないことでもあったのだろうか、と云う焦りを何とか胸に閉じ込め乍ら。


「僕、眠ーい」


そんなAの視線に気付いているのかいないのか、(恐らく後者だろうが)青年はそう呟いたのだった。

二十九話/襲うつもりですか?→←二十七話/戦いはもう始まっている



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作品ジャンル:アニメ
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女中(プロフ) - よくねたしおだおぉぉぉぉ!!!さん» 米有難うございます励みになります!!!初めてコメントとかきて過呼吸なりました(Tほんとに!!有難うございます!!! (2022年2月7日 9時) (レス) id: 44e9453d1b (このIDを非表示/違反報告)
よくねたしおだおぉぉぉぉ!!! - ウワァ、、好き、、もっと評価されるべき!更新待ってます!!! (2022年2月6日 19時) (レス) @page45 id: a2762c3708 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:女中 | 作成日時:2021年12月4日 16時

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