其の頭脳は異能力者故か

事件は起こってしまった ページ34

そして、休憩時間が終わると劇が始まった







「我等を赦せ！氷の戦天使！さもなくばその姿を下界に現せ！」







舞台に立っているのは村上







彼一人である






「僕の命など惜しくない！裁きを代行するならば……


　まずは僕の胸を貫け！判っているぞ！


　僕の仲間が人間の持つ醜さで憎しみ合うのを僕に見せたいのだろう！？」








「ならば暴いてやる！お前の罪を！」







村上の躰から真っ赤な液体が噴き出る






村上は舞台に倒れた、血に染まった床の上に。








(台本にこの様な演出は無いっ！！)






福沢は舞台に駆け上がると村上の周りにある血を調べる







(本物の血………)







如何やらVの予告通り殺人が起きてしまった様だった








「救急車だ！表の警官に知らせて劇場を封鎖しろ！」







福沢がその様に叫ぶと観客がざわつき始める









「いやぁー！」






舞台裏で待機していた役者も恐怖の余り舞台へと飛び出した









「本当に死んだ……？」









「殺人……？」









観客席から困惑の声が上がってくる







「席を立つな！逃げる者には殺人の嫌疑がかかる可能性がある」








福沢は冷静にそう云うと観客も落ち着いた様に静寂としていた

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