聞こえないフリ ページ49
隣の席からは楽しそうな会話が聞こえてくる。
頼んだパスタが思うように喉を通らないくらい、嫌な感情がぐるぐる渦巻いていた。
「あ、私そろそろ帰らないと」
シルク「おーもうそんな時間か。今日はありがとな！楽しかった！」
「うん！私も楽しかった！」
そんな会話をしながらレジへと向かっていく二人。
よかった。やっと二人が楽しそうにしているところを聞かなくて済む。
ンダホ「A〜、一緒にジュースいれに行こ！」
「あ、うん。せやな」
空になったコップを持ってドリンクバーへと向かう。
どれにしようと迷っているンダホを見て小さく笑った。気を使わせてしまって申し訳ないと思いながらも今は彼らの優しさに甘えることにした。
席に戻ると、なぜかそこにシルクがいた。
シルク「A全然食ってねーじゃんこれ」
なんだか随分久しぶりに名前を呼ばれたような感覚になる。
今は話したくないんだけどな。
なんて、言えるはずもなく。
「今日あんまり食欲ないから、かな」
そう言いながらマサイの隣に腰を降ろした。
シルク「さっきの子、ララちゃんっていうんだけどさ、もうすっげぇ気合うわ！」
ンダホ「へぇー、そうなの」
シルク「まじで、喋ってて飽きない」
そこからは今日のライブの話になって、ララちゃんのことは、どこかにいってしまったけれど、それでもシルクのあの一言が何度も頭の中でこだまする。
“ もうすっげぇ気合うわ！ ”
「ごめん、ちょっと……用事思い出したから帰るわ 」
マサイ「A、」
「……これ、あの、お金。置いとくから払っといて……私の分も」
シルク「あ、じゃあ俺送ってく、」
「ごめんな！じゃあ！」
シルク「ちょ、おいA」
シルクの声は聞こえないフリをした。
お金だけ置いて慌てて店を出る。
自転車の鍵を乱暴に開けて、急いで漕いだ。
夏の夜風が私の体を撫でる。
私ってこんなに嫉妬深かったっけ。
息が上手にできない。
嫉妬心から生まれてくる不機嫌な姿なんて見られたくない。
あなたに、嫌われたくない。
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シロ(プロフ) - ちぃさん» ありがとうございます！皆さんこういう展開はやはりお好きなんですね！(笑)また違ったドキドキが楽しめるように頑張りますね！ (2017年2月12日 9時) (
レス) id: 7ee48a4ee9 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - サクラさん» コメントありがとうございます！これからの展開で色々とわかると思いますので、また見にきて下さい！ (2017年2月12日 9時) (レス) id: 7ee48a4ee9 (このIDを非表示/違反報告)
シロ(プロフ) - ユウナさん» ありがとうございます！恋って本当に難しいですね…。そのお友達さんも辛いだろうけど、無理だけはしてほしくないですね…！ (2017年2月12日 9時) (レス) id: 7ee48a4ee9 (このIDを非表示/違反報告)
ちぃ(プロフ) - この展開凄く好きです！続き楽しみ‥‥！ (2017年2月11日 21時) (レス) id: ba7a71cd98 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - ららちゃんはシルクの事が好きなのかな(?_?)スッゴく気になります (2017年2月11日 18時) (携帯から) (レス) id: 30d1295ccc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シロ | 作成日時：2016年11月11日 18時
