検索窓
今日:9 hit、昨日:9 hit、合計:4,014 hit

56話 ページ9

柳は悠馬にバディマイクを手渡した。

夢マイクにはハートマイクとバディマイクがあり、柳の説明によるとハートが主役でバディが脇役のようなものらしかった。

何よりも大事なのはユニゾンで、2人の間に心の不和が生じれば、本人達も観客も悪夢にうなされるとのこと。

悠馬は少し緊張気味にマイクを受け取ると、装着した。


「……へぇ。」


周りの景色が一瞬にして変わる。

ファンシーな部屋の中にパジャマ姿の柳と悠馬が現れる。

垢抜けた姿になった悠馬は柳に誘導されるように綺麗な歌を歌う。


(ふーん…意外といいペアじゃん。)


Aがライブに見入っていると、突然孝臣が彼女の肩にもたれるようにして手を置いた。


「!…孝臣?」

「悪い……ちょっともたれさせろ。」

「い、いいけど大丈夫!?」


孝臣は怠そうにAの肩にもたれかかる。

Aがオロオロとしていると、いつの間にかライブは終わっていた。


「ゆーまぴっ!すっごかった〜!」

「望月君、先日言ったことは取り消そう。俺は君を見直した。素晴らしいライブだった。あれこそまさに一流だ。」

「うんうん!本当に凄かったわ悠馬君!」

「良かったね、悠馬。」

「…はい!」


千里達がはしゃいでいるのを無視して、Aは孝臣の顔を心配そうに覗き込む。


「…………。」

「孝臣…。」

「ん?どしたの?なんかお前顔色悪いぞ。」


孝臣の様子に気づいた千里は、A達の元へ近づく。


「うるせぇ。今構うな。」

「何だよそれ!せっかくゆまぴ達のお陰でいい気分なのに!」

「おい千里、孝臣が構うなっつってんだ。あっち行ってろ。」

「あーいいねー。いつもいつもAちゃんが守ってくれて。」


千里はふてくされたように悠馬達の元へ戻っていく。


「ふん、兎ごときが孝臣に噛みつくんじゃねぇ。」

「……………。」


しばらくすると入学式の時にいた綺麗な女の人が現れる。

三毛門紫音と名乗ったその女性は、藤次のパートナーだった。


「藤次のパートナー…女、だと。女と同室…?特例…?え、Aと孝臣は…?」

「静かに…しろ……。」

「あぁっ…!!ごめん孝臣…!!」


Aは黙ると、孝臣の背中をさすった。

その時、紫音と藤次がステージに上がる。

どうやら次はその2人の夢ライブが始まるようだった。


「うわ〜っ!!たっのしみ!ゆまぴの時も最高だったし、今度はどんなライブになるんだろ!」

「…うるせぇ。」

「お前ほんっとノリ悪いなぁ…。」

57話→←55話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (6 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
6人がお気に入り
設定タグ:DREAM!ing , ドリーミング , 獅子丸孝臣   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:茶虎 | 作成日時:2019年11月18日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。