95*中身と外側 ページ46
Aside
マリカー大会は荒北さんのカミソリコーナリングが炸裂しっぱなしで彼の優勝で終わった。
翌朝も台風のせいで風が強かったし、隼人君が呼んだのか親御さんが迎えに来て悠人は秦野へと帰って行く。
連絡をもらい寮の玄関に向かえば隼人君の姿もあり、ばつが悪そうな悠人もいた。
「お世話になったし、黙って帰るのもイヤなんで。
また会いに来ても良いですか？答えは…」
『yesだよ。でも来るならサプライズはまだしも天気の良い日に来てね。私も隼人君も心配しちゃうから。』
「悠人ならいつでも歓迎だがAの言うとおりだ。
また来いよな、悠人。」
「…またね、A先輩。」
一瞬見せた悲しそうな顔は私のせいだと分かっている。
昨日の今日だ、気持ちの切り替えなんて出来やしない。
悠人の気持ちに答えてあげることが出来なかったんだから…
「行っちまったな。」
『うん。』
「Aはこれかは何するんだ？」
『…泉田さんと今夜の餃子パーティーの準備。
午後からは皮に包むから参加者は食堂集合ね。隼人君はいっぱい食べるから絶対来てよ？』
挽き肉に味を付けて具材を寝せて、昨日とんでもない寮の挽き肉と餃子の皮を買ったから大変だ。
泉田さんと「頑張りましょう」なんて約束したけど、量がおかしいから頑張れるだろうか…
「餃子楽しみだな」
そんな嬉しそうな顔見せられたら頑張るしかない…
【好きだ】と改めて意識してから一挙手一投足にドキドキしたりするのは【恋】なんだなと実感する。恋する乙女か！と脳内ユキちゃんが炸裂してるけど。
『うん、頑張る。
じゃぁ食堂行ってくるね』
「A。」
駆け出す寸前掛けられた声に微妙な一歩を踏み出していた。
振り返れば人好きのする笑み
「悠人のこと、ありがとな。」
『…私は何もしていないし、寧ろ…』
傷付けてしまったかもしれない。
喉から出かかった声をゆっくりと飲み込む。
人を好きになる事は素敵なことだけど
誰かと結ばれる事は難しいことなのかもしれない。
『隼人君、私こそありがとう。
それじゃ本当に行くからね、泉田さん待たせてるから。』
逃げるように食堂へと向かい、必死に餃子を作った。
１日中皮に包んでいた気すらするけど、皆喜んでくれてたし隼人君も美味しいって言ってくれたし満足である。
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モカ(プロフ) - しおらんさん» ありがとうございます！更新亀ですがよろしくお願いします!! (2019年8月12日 23時) (
レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄く面白いです！新開夢はほぼ見ないので初めてこんなに集中して読みました！かっこいいですね！続き楽しみにしています！ (2019年8月12日 15時) (レス) id: 7c779db0ef (このIDを非表示/違反報告)
餃子 - 更新頑張って下さい！ (2019年7月27日 16時) (レス) id: 88c2981b01 (このIDを非表示/違反報告)
モカ(プロフ) - 重岡 かえでんちょさん» 今晩は、はじめまして！教えていただきありがとうございます(*^^*) (2019年4月7日 23時) (レス) id: d3f4b94a5b (このIDを非表示/違反報告)
重岡 かえでんちょ(プロフ) - こんばんは！いつも楽しく読んでいます。先程95話を拝見した時に誤字を見つけたので報告のコメントです。夢主ちゃんの台詞で「サプライズはまだしも」が「サプライズ浜田市も」になっています！更新頑張ってください、応援しています！ (2019年4月6日 23時) (レス) id: 50714d3e7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：モカ
| 作成日時：2018年9月13日 22時
