☆342 1人の沈黙。 ページ48
インターホンの音が自分の頭にも響いてきたと思ったら。
『……』
インターホンから無言の声が聞こえてきた。
この家のインターホンはカメラ付きらしい。
私の姿が見えたから。
きっと千晴だろうと思ってたのかな…。
『…は?』
君の口癖?が聞こえてきた。
その一文字でさえも、今の私の心臓を飛び出させるような力があった。
『……は?成瀬?』
A「私…です。成瀬です」
声を一生懸命絞り出す。
.
しかし、それからインターホンから声が聞こえることはなかった。
かと言って家から君が出てくる様子はない。
.
しばらく待たされる。
.
いつの間にか千晴はいなくなっていた。
.
1人で沈黙の中。
君の家の前で立っている。
たまに通り過ぎる人から見たら、何してるんだろうって不思議に思われると思うけど。
頭の中はこれからどうなるのだろうか。
という自問自答でいっぱいだった。
いつ君が出てきてくれるのか。
不安でもあったけど。
きっと君も混乱しているんだと思う。
こうやって押しかけた私でさえ混乱しているんだから。
.
でも待つよ。
君が出てきてくれるまで待つ。
.
いや…寒いけど。
鼻も少しだけ赤くなっているかもしれないけど。
寒さなんか平気。
走ってきたから、髪とか乱れてるかもね。
外の冷気を吸って。
少しずつ落ち着いてきた私は、自分の髪を気にする余裕ができた。
見た目全体も大丈夫か確認。
髪はちゃんとくしでといて。
鏡で顔チェックして。
よし。大丈夫だよね。
.
.
それにしても、待っても待っても君は出てこなかった。
またふたたび考えると。
ちょっとだけ謝りたくなる。
当日に渡しに行くとは言ったけど。
あの子と会う前に来るとは思ってもいなかったかな?
ごめんね。
いきなり来ちゃって。
普通は、メールとかいれて来るべきだもんね。
メールで連絡するという考えは、余裕のなかった私には思い浮かばなかったな。
もっと考えて動くべきだったな。
自分の行動にため息をつきつつ。
アーモンドチョコレート大丈夫かな…と思って、
袋を覗いて確認してた。
.
.
その時だった―――。
.
ガッ…チャ。
いかにも恐る恐るという感じで開いたドア。
.
.
そのドアからひょっこと覗いた黒い影。
「………よっ」
.
.
片手を少しだけあげて私から目を逸らしてあいさつをした君が、
そこにいた。
☆343 止まらない想い。 →←☆341 背中を押してくれた。
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アリエル(プロフ) - 凄く感動しました!私も実は恋愛小説を作ってるんですけどあまり人気が無くて…。人気になるためのアドバイスとかありますか?教えていただくと嬉しいです! (2016年11月26日 23時) (レス) id: 8a30b15849 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki☆(プロフ) - 超感動した…私も、勇気だして好きな人に''好き''って言っちゃおっかなぁなんて… (2015年3月19日 10時) (レス) id: 039082f554 (このIDを非表示/違反報告)
ユーカ(プロフ) - 柚季さん» うおお!!遅くなったぁ!! 声綺麗だよねぇ〜…IAのソフトいつか買おうww←六兆年かっこいいよね!!一瞬ではまっちゃった…w 歌い手楽しそうでいいよね…憧れる… 教えなぁぁぁい!!あ、ケーキの名前だよww (2012年10月31日 12時) (レス) id: 4d746cf22e (このIDを非表示/違反報告)
柚季(プロフ) - りりさん» ありがとうございます!!本当に感謝します。泣いて下さったんですか!!嬉しいです…私は嬉しき泣きしちゃいます。:゚(。ノω\。)゚・。頑張ります!! (2012年10月25日 21時) (レス) id: 938c248c9b (このIDを非表示/違反報告)
柚季(プロフ) - ユーカさん» こっちこそ遅くなってごめん!!おお〜綺麗な声最高!!ヽ(*’∀’*)/六兆年めっちゃかっこいい!! 声優、歌い手!!めっちゃ憧れがある2つだねー!!歌い手楽しそうだよねぇ〜♪ むむっ…やはり教えてくれないのか(笑)ユーカのやつ聞いてみたいのになぁぁああ!!!www (2012年10月21日 21時) (レス) id: 938c248c9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚季 | 作成日時:2012年8月9日 21時