☆338 かつての親友。 ページ44
翔くんが言ったとおり、圭くんの家は翔くんの家から30分はかかる場所だった。
小学生の頃の記憶通りだった。
あ、私が圭くんの家を知っているのは
小学生のとき、千晴と一緒に帰る通学路の途中で圭くんの家があって。
「ここ、圭の家だよ。」って千晴に教えてもらったから。
すぐその家の場所を覚えちゃった。
だってその時から気になってたからね…。
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私は、アーモンドチョコレートがラッピングされている袋と、
あのクリスマスに買ったマグカップ。
それが入った袋を抱えて…
歩を早めた。
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確か―――…
小学校の特別教室で…
先生に事情を聞かれても「なんでもないです。すみません。」と言い続けた私。
そこに、千晴が来て…
「ありがとうね。藤崎さん。」
「いえ…。」
先生にあいさつして私の前にランドセルを差し出した千晴。
その千晴の表情は…よく分からなかったが悲しそうだったっけ…?
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私は無言でランドセルを奪い取るような形で受け取って、職員室を後にした。
そりゃそうだよ…怒ってたもん。
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その時千晴が何か言ったような気がしたが…私の耳には届かなかった――…
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届かなかった…?
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A「…あれ。」
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私…何を今更思い出しているんだろっ。
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届かなかった…?
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耳を貸そうとしなかった…?
聞こえなかった、届かなかったことにしようとした…?
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あの子は…優しい人。
本当は優しい人って…私は分かっていた。
一番分かっていた…!!
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自分の怒りのままに動いてしまった。
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そりゃ…あの時は小学6年生。
全然子どもで。
弱い私だった。
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聞くぐらい…
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あの子の声を聞くぐらい…できたでしょ?
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――“…ごめんね。”
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そうだ…
あの時…
千晴は…
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足の動きが早まる。
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どれくらい歩いた?走った?
どれくらい時間が経った??
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千晴「…A?」
…え?
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目の前には…
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あの頃と変わらず、オシャレで綺麗で可愛くて。
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優しい瞳の千晴がいた。
私の――かつての親友――。
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千晴の姿を目で確認した場所は
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圭くんの家の前だった。
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革ベルト
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アリエル(プロフ) - 凄く感動しました!私も実は恋愛小説を作ってるんですけどあまり人気が無くて…。人気になるためのアドバイスとかありますか?教えていただくと嬉しいです! (2016年11月26日 23時) (レス) id: 8a30b15849 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki☆(プロフ) - 超感動した…私も、勇気だして好きな人に''好き''って言っちゃおっかなぁなんて… (2015年3月19日 10時) (レス) id: 039082f554 (このIDを非表示/違反報告)
ユーカ(プロフ) - 柚季さん» うおお!!遅くなったぁ!! 声綺麗だよねぇ〜…IAのソフトいつか買おうww←六兆年かっこいいよね!!一瞬ではまっちゃった…w 歌い手楽しそうでいいよね…憧れる… 教えなぁぁぁい!!あ、ケーキの名前だよww (2012年10月31日 12時) (レス) id: 4d746cf22e (このIDを非表示/違反報告)
柚季(プロフ) - りりさん» ありがとうございます!!本当に感謝します。泣いて下さったんですか!!嬉しいです…私は嬉しき泣きしちゃいます。:゚(。ノω\。)゚・。頑張ります!! (2012年10月25日 21時) (レス) id: 938c248c9b (このIDを非表示/違反報告)
柚季(プロフ) - ユーカさん» こっちこそ遅くなってごめん!!おお〜綺麗な声最高!!ヽ(*’∀’*)/六兆年めっちゃかっこいい!! 声優、歌い手!!めっちゃ憧れがある2つだねー!!歌い手楽しそうだよねぇ〜♪ むむっ…やはり教えてくれないのか(笑)ユーカのやつ聞いてみたいのになぁぁああ!!!www (2012年10月21日 21時) (レス) id: 938c248c9b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚季 | 作成日時:2012年8月9日 21時