まだ続いていた私の初恋。3 【名前変換オリジナル】

☆91　ただ救っただけ。　 ページ15

〜圭side〜(初、永井くんサイドです！)


成瀬が目を覚ました後、中堂が成瀬の面倒を見ることになり、俺と翔は海の家を出た。

クラゲに刺された部分はなんともなく、すぐに治るらしい。
まあ、よかった。

「圭…。」

「ん？」


翔が…いつもと違う低いトーンの声で俺に近寄った。

「お前さっ…」

「何？」


…なんか翔、機嫌悪い？


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そりゃ…そうだろな。

でも、機嫌悪くなるなんておかしいと思うぜ？


「翔…好きな人が助かって嬉しくないのか？」


俺は翔を睨んだ。


翔は一瞬驚いたような表情を見せたが、すぐ真剣な表情になり、

「なんでお前…俺が成瀬さんのこと好きって知ってるんだ…。」

俺を睨み返してきた。


「お前の様子見ればバレバレだよ。」


そう言って、俺はフッと鼻で笑った。


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「圭…。」


「ん？」

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「怒ってるか？」


「は？」


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なんで俺が怒らなくちゃ…


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「別に、怒ってない…でも……。」

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「でも？」


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俺は次の言葉を言おうと口を開いた…


が。


「俺は！俺は成瀬さん……彼女のことをっ――――!!!!」


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俺は開きかけた口を閉じた。

潮風が俺らを包み、翔の言葉がよく聞き取れなかった。


.


彼女のことを？なんだよ。


そう聞き直したかったが。


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「おーい！早野！ちょっと来い！」

担任に呼ばれた翔は悔しそうな表情を見せて走っていった。


俺は少しだけ潮風を感じようと思い…歩き出した。

「圭！」


「…千晴。」

俺の前にズイッと現れたのは…涙目の千晴。


あーぁ。めんどくさっ。


.


なんでこんなことになったんだよ…。


俺は…俺はただ、あいつを救っただけなのに。

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