６.いつだって人を幸せにするのは、平穏である ページ6
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オーナーから資金を頂くと、それを財布にしまい身支度を整えにいく。
鏡に映り込む自分を見つめると、四方八方に跳ね遊ぶ髪といやに物憂げな瞳と目が合う。アッシュグレーの髪は、肩まで綺麗に切り揃えてはあるものの、若干の癖毛であるので寝癖の跳ね方が物凄い。もはや頭がジェットコースターのレールさながらに、ある意味独創性がある。
そしてそんな直すのも一苦労そうな寝癖を見る瑠璃色の瞳に覇気は宿っていない。例えるならば、彼氏にフラれたばかりの女のような____もっとも、都の24年の人生の中で彼氏という存在が出来たのは高校時代に一人だけなのだが。
この陰鬱そうな伏し目は、元からのものであるのでどうしようもない。
『…なぁんかこんな容姿じゃあ、とてもじゃないけれど接客業なんかには向いてねぇよなあ……自分でも精一杯愛想笑いとか練習してるんだけど』
接客業では笑顔が最も重要だ。オーナーに言われて、毎晩鏡前で愛想笑いの練習をしたのが懐かしい。数年経った今では、もう慣れたものだが。
ブラシとアイロンを使って、自由奔放な癖毛を無理矢理矯正していく。髪が傷むと聞くが、そんなもの知ったことではない。人間は歳をとれば誰だって傷むんだ、早いか遅いかの違いだろう。
＊
取り敢えず、と髪を整え、クローゼットから適当に見繕ってきた薄青色のワンピースに軽くカーディガンを羽織ると、一階へ降りる。昨日は暑かったとはいえ、季節は秋に少し差し掛かったところ。
流石に半袖だと肌寒い所がある。
『じゃあオーナー、行ってきま――あれ、』
階段の手すりに手をかけつつ、降りて行くと目に映り込んだのは普段ならこの時間帯に居るはずのないであろう人物。
「あ、おはよう都ちゃん。」
ロボロが片手をあげて、立っていた。
都は少し瞠目すると、若干小走りに残りの階段を駆け下りる。ロボロが店に来るのは、開店時間の１時間くらい前の筈なのだが――壁かけ時計に目をやるとまだ３時間前。
『珍しいね、まだ開店時間まで時間たくさんあるよ。』
「いや今日と明日急遽仕事が入っちゃって、店出れないからそれを伝えに来たんやけど___都ちゃんこれから何処か行くの？」
『うん。買い出し。』
そう都が答えると、途端にロボロの顔色が曇った。どうかしたのだろうか、と首を傾げると、彼の視線は手に持ったスマホと都を何度か行き来すると、「まぁ大丈夫か」と呟いた。
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雪原(プロフ) - ふぃおさん» 申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。修正しました！ (2017年12月22日 22時) (
レス) id: b79552e05e (このIDを非表示/違反報告)
ふぃお(プロフ) - 26話辺りから名前変換出来ていませんよ〜 (2017年12月22日 22時) (レス) id: 86fe828a4e (このIDを非表示/違反報告)
リオ - 設定から書き方までツボ過ぎてやばいっすわｗ続きがくっそきになるので更新頑張ってください!! (2017年9月18日 20時) (レス) id: 0dc7e3ba93 (このIDを非表示/違反報告)
雪原(プロフ) - すりぴいさん» コメントありがとうございます。稚拙な文章ですが、そう言って頂けて大変嬉しいです！不定期になるかとは思いますが、精一杯頑張ります…！ (2017年9月18日 20時) (レス) id: 4141bf49c5 (このIDを非表示/違反報告)
すりぴい - ﾝﾝﾝﾝｯ！！好きです。更新頑張って下さい! (2017年9月18日 19時) (レス) id: 796ae87385 (このIDを非表示/違反報告)
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