３７.無限大と捉えるか、それは無であるのか ページ37
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――情報は、
キー操作ひとつで、人一人の人生は簡単に消し飛ぶ。
生命を動かす事に慣れれば慣れるほど、その操作が簡単であればあるほどに、生命の重みとやらが自身の中で急速に乾いたちっぽけなものになっていくのがわかった。
社会に存在してはならない。この日本国にとって害を為す、謂わば害虫を駆除しているだけに過ぎないのだと。そう言い聞かせて淡々とこなしてきた作業に近いものを_____やっている自分は、果たして害虫と何ら変わらない存在じゃあないのだろうか？
そんな考えが心の奥底に芽生えたとき、都は己の居場所が無性に恐ろしくなったのだ。
「______貴女のそれに宿っている感情のお陰で、選択肢は無限大に広がりました。
けれども、それを無と捉えるのかは‥‥‥まあ、君次第、やな。」
ご馳走様でした、美味しかったです。
最後の最後まで彼の微笑は揺るがなかった。
＊
「――いい加減に起きろや、シッマ」
がつん、と頭に鈍い衝撃が広がる。それはじわじわと己の精神を蝕み、心地良い微睡みの中から意識を掬い上げるようにして、目覚めを覚醒させた。
よく聞き慣れた、呆れの混じる声色にコネシマは眉を寄せながらのそのそと起き上がる。乱雑に髪を掻き乱しながら、己の快適な睡眠を邪魔した輩に、罵声のひとつでも投げ掛ける為に。
「気持ち良く寝てるん見てて分かるやろ！！
誰だか知らんけど、無粋にも人様のベッドに突然乱入してくるんは、さてはただの童貞やろオオン！？？！？」
「寝起きでそんなに叫ぶ気力が残っとるんなら、結構や。はよ、起きて支度せえ。
____オスマンが捕虜の口割らせられそうみたいやからな。」
「‥‥あ？」
寝惚け眼のまま、枕元を覚束ない手で雑に弄る。馴染みの固い感触を感知する。枕の横に置かれてあった、普段使い用の赤い細身のフレームが特徴の眼鏡は、紛れもなくコネシマのものである。
仕事の時は邪魔であるからと言う理由で、基本的にコンタクトであり、想像と反してコネシマは視力があまり良くない。
自身が眼鏡をかけると、割りかしインテリっぽく見えるようで、同僚であるシャオロンから笑われるのがいいオチだった。
「んー‥‥？」
どんどん視界が鮮明になっていくのと同時にいま自分を起こしたけったいな人物の顔もはっきりと分かる。_____トントンであった。
「なんややっぱり童貞やんけ」
「お前まじで張っ倒すぞ」
――現在時刻、AM3:25。
早朝特有の肌寒さに、コネシマは気怠そうに欠伸をした。
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雪原(プロフ) - ふぃおさん» 申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。修正しました！ (2017年12月22日 22時) (
レス) id: b79552e05e (このIDを非表示/違反報告)
ふぃお(プロフ) - 26話辺りから名前変換出来ていませんよ〜 (2017年12月22日 22時) (レス) id: 86fe828a4e (このIDを非表示/違反報告)
リオ - 設定から書き方までツボ過ぎてやばいっすわｗ続きがくっそきになるので更新頑張ってください!! (2017年9月18日 20時) (レス) id: 0dc7e3ba93 (このIDを非表示/違反報告)
雪原(プロフ) - すりぴいさん» コメントありがとうございます。稚拙な文章ですが、そう言って頂けて大変嬉しいです！不定期になるかとは思いますが、精一杯頑張ります…！ (2017年9月18日 20時) (レス) id: 4141bf49c5 (このIDを非表示/違反報告)
すりぴい - ﾝﾝﾝﾝｯ！！好きです。更新頑張って下さい! (2017年9月18日 19時) (レス) id: 796ae87385 (このIDを非表示/違反報告)
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