３３.無限大と捉えるか、それは無であるのか ページ33
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「――お久し振りですね、都さん。」
くす、と柔らかく笑んで、彼はまた一口カップに唇を触れさせた。
「貴女に警戒させてしまうのもまぁ_____今の状況では無理もないですが、それにしても些か久し振りに会った自身の
『そんな事はないですよ、‥‥‥と言うよりかは、警戒してるって分かってる癖にわざと世間話持ちかける辺り、先生の方が酷いですって』
「ごもっともです」嗚呼、もうこの人と居ると何だか調子が狂うなあ。いつのまにかオーナーは姿を消して居た。恐らく彼が都の知り合いであると察したのだろう、こういう気の利き方は流石はオーナー。若かりし頃は絶対おモテになってたんだろうなあ。
呑気なことを考えながら、改めて目の前の御仁を見下ろす。
――彼の名はエーミール。
職業は大学教授____というのは表向きで、実際には都が組織に加入する前から組織と何らかの繋がりを持っていた人物である。正確には、正式に組織の人間であるかはわからないが、少なくとも都と彼との馴れ初めは至極平凡なものだった。
彼の講義を受けた事はないが、大学内で何度か会話を交わしたことはある――長くなるので割愛させて頂くが。
彼が組織で何を担っているのかは知らない。
しかしグルッペンは非常に彼を頼りにしていた記憶がある。
まあ要はそこまで深くは知り得ない人物だが、一応先生ではあったので、“先生”という呼び方は未だ抜けない。知人は皆彼をエミさんエミさんと略して呼んではいたが。
「それにしても、私は感動していますよ。
昔から都さんはあまり他人とのコミュニケーション能力が高くはなかったので、まさかこうして接客業に携わっているとは‥‥‥いやあ、今日は来て良かった！」
『完全には否定出来ない所が痛い』
まあどちらかと言えば、コミュ障よりかは他人との関係にあまり頓着しないタイプなのである。
人間関係に興味を抱かないので、割とストレートに思った事をそのまま言ってしまう事はあった。その一言でその人との関係がどうなるかなんて知ったこっちゃない！なんて考えで人と付き合っていた――無論、今は改善されている。(それもオーナーにしっかり指摘されたのが理由だ)
半分程まで減ったカップを置きながら、彼は都の言葉に楽しそうに笑った。
相変わらず綺麗に笑う人だ。だからこそ、苦手だったのだ。
――彼はいつも、気味が悪いくらいに穏やかで優しい。
それが、まるで本当の彼を覆い隠しているかのようで、何だか無性に______
『‥‥それで、要件は何ですか。先生。』
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雪原(プロフ) - ふぃおさん» 申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。修正しました！ (2017年12月22日 22時) (
レス) id: b79552e05e (このIDを非表示/違反報告)
ふぃお(プロフ) - 26話辺りから名前変換出来ていませんよ〜 (2017年12月22日 22時) (レス) id: 86fe828a4e (このIDを非表示/違反報告)
リオ - 設定から書き方までツボ過ぎてやばいっすわｗ続きがくっそきになるので更新頑張ってください!! (2017年9月18日 20時) (レス) id: 0dc7e3ba93 (このIDを非表示/違反報告)
雪原(プロフ) - すりぴいさん» コメントありがとうございます。稚拙な文章ですが、そう言って頂けて大変嬉しいです！不定期になるかとは思いますが、精一杯頑張ります…！ (2017年9月18日 20時) (レス) id: 4141bf49c5 (このIDを非表示/違反報告)
すりぴい - ﾝﾝﾝﾝｯ！！好きです。更新頑張って下さい! (2017年9月18日 19時) (レス) id: 796ae87385 (このIDを非表示/違反報告)
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