３０.無限大と捉えるか、それは無であるのか ページ30
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――嗚呼、ほんま嘘吐きやなあ、俺も君も。
俺、知ってねんで。
都ちゃんのこと、全部。何もかも。
みんなにはホビットとか童貞とか散々好き勝手言われてんねんけどな、これでも情報関係は一手に引き受けてて。
途中で全部投げ出した都ちゃんと違って――都ちゃんの後任として、上手いことやってるつもりや。
ねえ、都ちゃん。
早く気付かんと、ぜんぶぜんぶお終いになってしまう。
平穏なんて戻ってこないこと、本当は知ってる筈やろ。
だから出来る限り、俺が君の居場所を守ったるから
どうかその殻を破って、前に進んでくれ。
＊
『――ありがとうございました。』
笑顔と共に御礼の言葉を吐いて、深くお辞儀をする。先程食事をしにきた2人組の女性は、オーナーの料理をえらく気に入ったらしく、また来ます、だなんて本当かわからない言葉で店を出て行った。テーブルの上に置かれた完食済みの皿には、僅かにとろけたチーズが残っている。付け合わせのサラダも空だ。その光景を見て、自分が作ったものではないのに少しだけ胸踊った。
牡蠣のグラタン――新鮮なぷりり、とした牡蠣に、玉葱やマッシュルーム、マカロニをたっぷりと使い、オーナー秘伝の雪景色のように真白でふわり、と甘やかな匂いが鼻孔を擽るホワイトソースがふんだんにかけられている。香り立つ焼きあがったチーズとの相性は抜群で、やや値段は高いものの当店では屈指の人気を誇る料理であった。
皿をトレイに乗せて、カウンターへと戻る。時刻は客足が望めるピークであるお昼をだいぶ過ぎた辺り。先程の客が最後だったようで、がらんとした店内に、オーナーの声が響き渡った。
「お疲れさま、都ちゃん。
今日はロボロ君が居ない分、大変じゃあなかったかい？」
『‥いやあそれはもうほんとに。
でも何より今日は一度もミスしなかったので、絶好調でもありますよ。』
「それは良かった。」
「いつお客さんが来るかわからないけれど、それまで奥で休憩しておいで」柔らかい声に、素直に頷く。実を言うと、何故か今日はいつもよりも客入りが良く――とは言え、普段からそこまで繁盛はしていないので、平均レベルだが――脚もぷるぷるしている、産まれたての子鹿のようだ。
どうやらオーナーが淹れてくれたらしい、挽きたてのコーヒーの深い芳香に、脚は素直にカウンターの奥へと向けられた。
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以前、友人と東京に行った際に食べた牡蠣のグラタンめちゃくちゃ美味しかったんです
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雪原(プロフ) - ふぃおさん» 申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。修正しました！ (2017年12月22日 22時) (
レス) id: b79552e05e (このIDを非表示/違反報告)
ふぃお(プロフ) - 26話辺りから名前変換出来ていませんよ〜 (2017年12月22日 22時) (レス) id: 86fe828a4e (このIDを非表示/違反報告)
リオ - 設定から書き方までツボ過ぎてやばいっすわｗ続きがくっそきになるので更新頑張ってください!! (2017年9月18日 20時) (レス) id: 0dc7e3ba93 (このIDを非表示/違反報告)
雪原(プロフ) - すりぴいさん» コメントありがとうございます。稚拙な文章ですが、そう言って頂けて大変嬉しいです！不定期になるかとは思いますが、精一杯頑張ります…！ (2017年9月18日 20時) (レス) id: 4141bf49c5 (このIDを非表示/違反報告)
すりぴい - ﾝﾝﾝﾝｯ！！好きです。更新頑張って下さい! (2017年9月18日 19時) (レス) id: 796ae87385 (このIDを非表示/違反報告)
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