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26.追憶に呑まれて、溺れゆく ページ26

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「ーーそうか。」


重く、それでも至って簡潔に吐かれたため息と一言に、コネシマは引き攣っていた頰をだらしなく驚愕の色に染めた。そのまま、極限にまで見開かれた空色の瞳で、「え?」とでも言いたげに目の前のトントンを凝視する。

一方のトントンは、まるで想像通りだと言わんばかりに動揺の欠片も見せない態度で腕を組むと、固まっているコネシマをちらりと見遣って、「それで?」と続きを促した。


「いや、それで?って言われても‥‥‥」
「それだけやないんやろ?都がおったのは想像の範囲内や。事前に大先生からリークされた情報によると、あの集団は都を狙ってたらしいからな。
___他に不確定要素があったんちゃうんか?」
「ゑ」
「‥‥‥まさか、」


いやいやいやいやそんなん聞いてへんで俺。
てっきり都の事を知らなかったと考えていたコネシマと、事前に都が今回の件に巻き込まれている事を知って尚且つコネシマが遅れたのは、その程度(・・・・)の事情で遅れた訳ではなく、もっと深刻で予想もつかないような大変な理由なんだ!と思っていたトントンとの見事な食い違い。それを瞬時に察したシャオロンは、先程までの焦りは何処へ行ったか、只々気を緩めたら溢れそうな笑みを必死に押し留めて、事の成り行きを見守る。それでも広角は自然に上へ上へと行こうとするのだ。


「ーーやっぱり死んでどうぞ」
「いやいやいや待って!?待ってやトントン!
だって普通驚くやろ!?組織勝手に脱退した奴が今回の標的に絡まれてたんやで!?」


「積もる話もあるやん‥‥?」見苦しい弁明は通用しない。
積もる話よりも仕事。時間厳守は口を酸っぱくして言った。それを破ったコネシマにどう説教してやろうか、トントンが怒りの篭る脳内でじっくりと考えていると、遂に今まで黙っていた男が助け舟を出した。勿論、助け舟を出す積もりは毛頭なかったのだろうが、結果的にはそれがコネシマを救うこととなる。


「‥‥‥今は取り敢えず、コネシマよりも都をどうするかが重要やな。」


両肘をつき、口元で手を組みながらまるで何処かの頭領かのような雰囲気を醸し出す姿勢で、低いバリトンボイスが鼓膜を震わす。


「‥組織脱退者は例外なく抹殺やろ?」
「嗚呼。だが俺的には都を殺すのは惜しい____彼女の技術はそう並みの者ができる代物ではないからな。
‥‥トン氏、(うえ)には説明したか?」
「してへんで。というか国は我々に丸投げで説明義務なんてあってないようなもんやしな。」



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雪原(プロフ) - ふぃおさん» 申し訳ありません。ご指摘ありがとうございます。修正しました! (2017年12月22日 22時) (レス) id: b79552e05e (このIDを非表示/違反報告)
ふぃお(プロフ) - 26話辺りから名前変換出来ていませんよ〜 (2017年12月22日 22時) (レス) id: 86fe828a4e (このIDを非表示/違反報告)
リオ - 設定から書き方までツボ過ぎてやばいっすわw続きがくっそきになるので更新頑張ってください!! (2017年9月18日 20時) (レス) id: 0dc7e3ba93 (このIDを非表示/違反報告)
雪原(プロフ) - すりぴいさん» コメントありがとうございます。稚拙な文章ですが、そう言って頂けて大変嬉しいです!不定期になるかとは思いますが、精一杯頑張ります…! (2017年9月18日 20時) (レス) id: 4141bf49c5 (このIDを非表示/違反報告)
すりぴい - ンンンンッ!!好きです。更新頑張って下さい! (2017年9月18日 19時) (レス) id: 796ae87385 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:雪原 | 作者ホームページ:http://ない  
作成日時:2017年9月15日 17時

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